組織のクリエイティビティを底上げするためのリサーチ
拙著『アイデア資本主義』で書いたことですが、歴史的に資本主義が拡大してきた結果、現在は拡大余地としてのフロンティアは地球上から消えつつあります。まだ見ぬ市場や資源を求めて外へ外へと拡大していく時代ではもはやなく、かといって拡大が止まるわけでもない。では21世紀以降どのような形で拡大が実現されてきたのかというと、経済全体におけるインボリューション(内へ向かう発展)であったと考えられます。資本主義におけるインボリューションによって、生産性の向上やコスト削減などが追求されてきました。
この大きな流れに加えて、かつては生産手段の前駆体のような位置づけであった“アイデア”の重要性が増し、近年ではそれ自体として投資の対象になったり、売買されたりするようになってきました。それを裏付けるように、書店にはアイデアの生み出し方や発想法についての本が並んでいて、“アイデア”への注目はかつてないほど高まっているように思われます。