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ガートナージャパン、2022年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表

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 ガートナージャパンは、企業や組織にとって重要なインパクトを持つ「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」の2022年版を発表した。

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 「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」の2022年版は、16日から開催している「Gartner IT Symposium/Xpo 2021」において、アナリストでバイス プレジデントのデイヴィッド・グルームブリッジ氏がトレンドを解説(グローバルでは2021年10月18日に発表)。グルームブリッジ氏は、本年版のポイントを以下のように解説した。

成長を加速する

ジェネレーティブAI

 市場で最も注目されている強力なAI (人工知能) テクノロジの1つが、ジェネレーティブAI。コンテンツやモノについてデータから学習し、それを使用して創造的かつ現実的な、まったく新しいアウトプットを生み出す機械学習手法。

 ジェネレーティブAIは、ソフトウェア・コードの記述、医薬品開発、ターゲット・マーケティングの促進といったさまざまな活動に利用可能。しかしその一方で、詐欺、不正、政治的な偽情報の発信、なりすましなどに悪用される可能性もあるという。2025年までに、生成される全データのうちジェネレーティブAIによるものの割合は、現在の1%未満から10%になるとGartnerは予測している。

オートノミック・システム

 企業の成長に伴い、従来のプログラミングや単純な自動化は進化に対応できなくなると言われている。オートノミック(Autonomic:継続して進化する自律性)システムは、環境から学習する自己管理型の物理システム/ソフトウェア・システム。オートメーテッド (Automated) システムやオートノマス (Autonomous) システムとは異なり、外部からソフトウェアを更新しなくても、自らアルゴリズムを動的に書き換えられるため、人間と同じように現場の新しい状況に迅速に適応が可能だという。

トータル・エクスペリエンス (TX)

 TXは、カスタマー・エクスペリエンス (CX)、従業員エクスペリエンス (EX)、ユーザー・エクスペリエンス (UX)、マルチエクスペリエンス (MX) の各分野を融合するビジネス戦略。TXの目的は、顧客や従業員の信頼、満足、ロイヤリティ、アドボカシ (推奨) を高めること。組織は、適応力とレジリエンスに富むTXというビジネス成果を達成することで、売り上げと利益を拡大できると述べている。

分散型エンタプライズ

 リモートワークやハイブリッド型の働き方が増加するにつれ、従来のオフィス中心の組織は、さまざまな場所に拠点を置く人材で構成される分散型エンタプライズへと進化。2023年までに、分散型エンタプライズの利点を生かしている組織の75%は、競合他社よりも25%速く売り上げ拡大を実現するとGartnerはみているという。

変化を形づくる

AIエンジニアリング

 ITリーダーは、アプリケーション内でのAIの統合に取り組む中で、本稼働レベルに至らないAIプロジェクトに多くの時間とコストを費やしたり、一度リリースしたAIソリューションの価値を維持しようと努めたりしているという。AIエンジニアリングは、AIモデルを継続的に利用するための統合的なアプローチ。

ハイパーオートメーション

 ハイパーオートメーションは、可能な限り多くのプロセスを迅速に特定し、検証し、自動化することにより、成長の加速とビジネスのレジリエンス向上を実現するもの。

意思決定インテリジェンス

 意思決定に関する組織のコンピテンシは競争優位性をもたらす重要な要素ですが、意思決定を下すのはますます難しくなっているという。

 意思決定インテリジェンスは、意思決定の方法、結果の評価方法、管理方法、フィードバックによる改善方法を明確に理解して確立することで意思決定を改善する、実践的な規律。今後2年で、大企業の3分の1が、競争優位性を高めるために意思決定モデリングを含む意思決定インテリジェンスを利用するようになるとGartnerは予測しているとした。

コンポーザブル・アプリケーション

 ビジネス環境が変化し続ける状況下ではビジネスの適応力が要求されるため、組織には、迅速かつ安全で効率的なアプリケーション変更をサポートするテクノロジ・アーキテクチャが必要になるという。コンポーザブル・アプリケーションのアーキテクチャは、そうした適応力を強化。コンポーザブルなアプローチを採用した組織は、競合他社を80%上回るスピードで新機能を実装するようになるとGartnerは予測している。

信頼を構築する

クラウド・ネイティブ・プラットフォーム

 真のデジタル・ケイパビリティをどこでも誰にでも提供できるようにするためには、企業は従来の「リフト・アンド・シフト」から脱却し、クラウド・ネイティブ・プラットフォームに移行する必要があるという。クラウド・ネイティブ・プラットフォームは、クラウド・コンピューティングのコア・ケイパビリティを使用することで、アプリケーション開発者に拡張性と弾力性の高いプラットフォーム・サービスやインフラストラクチャのケイパビリティを「サービスとして」提供し、価値実現までの時間の短縮とコスト削減を可能にするのだという。

 このため、2025年までに、クラウド・ネイティブ・プラットフォームが新規デジタル・イニシアティブの基盤となる割合は、2021年の40%以下から95%以上へと上昇するとGartnerは予測している。

プライバシー強化コンピュテーション

 CIOは、成熟しつつある国際的なプライバシー/データ保護規制に対処するだけでなく、プライバシー問題による顧客の信頼喪失を回避しなければならない。そのため、2025年までに、大企業の60%は、アナリティクス、ビジネス・インテリジェンス、クラウド・コンピューティングのいずれかにおいて、プライバシー強化コンピュテーション手法を1つ以上使用するようになるとGartnerは予測。

 個人情報や機密情報を、データ、ソフトウェア、ハードウェアのレベルで保護するプライバシー強化コンピュテーション手法は、機密性やプライバシーを損なうことなく、データの共有、保存、分析の安全性を確保するという。現在は、多くの業種や信頼できる実行環境にあるパブリック・クラウド・インフラストラクチャなどで利用されている。

サイバーセキュリティ・メッシュ

 サイバーセキュリティ・メッシュ・アーキテクチャ (CSMA)は、統合的なセキュリティ構造/態勢を提供し、遍在するデジタル資産をセキュアにするのに役立つという。2024年までに、CSMAを利用してセキュリティ・ツールを統合し、協働的なエコシステム内で活動する組織は、個々のセキュリティ・インシデントによる財務への影響を平均で90%低減させるとしている。

データ・ファブリック

 この10年間で、データやアプリケーションのサイロ化は急増したものの、データ/アナリティクス (D&A) チームの高度なスキルを持つ人材の数は横ばいか、むしろ減少している。データ・ファブリックは、複数のプラットフォームやビジネス・ユーザーをまたぐ形で存在するデータを統合し、高い柔軟性とレジリエンスを持たせたもの。組織のデータ統合インフラストラクチャを簡素化し、拡張性の高いアーキテクチャを構築することで、統合関連の課題の増加により技術的負債を抱えた多くのD&Aチームの助けとなると述べている。

 データ・ファブリックの真価は、組み込み型アナリティクスによってデータの活用効率を動的に改善し、データ管理作業を最大70%削減して、成果を得られるまでの時間を短縮する点にあるという。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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