SUBARUは、富士通と共同で開発したエンジン部品加工工程における研削加工の品質を高精度に判定するAIモデルと、製造現場でのAIモデルの管理を支援する富士通の「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA 現場品質AI 運用管理パッケージ」(以下、「COLMINA 現場品質AI」)の本格稼働を1月末に群馬製作所大泉工場にて開始した。
AIモデルの本格稼働により、全カムシャフトの研削加工時の品質保証を高精度かつリアルタイムに実現したほか、「COLMINA 現場品質AI」によるAIモデルの一元管理やライフサイクル管理により、効率的なAIモデルの運用や、AIモデルの品質を継続的に維持した運用を実現している。あわせて、大泉工場をはじめとしたSUBARUの群馬製作所全体でのリアルタイムデータを活用した品質保証レベル向上に向けたAI活用基盤を確立したという。
SUBARUと富士通は今後、このAIモデルや、取り組みを通じて確立したAI活用基盤、ノウハウについて、他部品や工場全体への横展開を推進し、さらなる生産性や品質の向上を目指すとしている。
システムの特長
AIモデルで加工中の全カムシャフトの品質をリアルタイムに推測
エンジンのカムシャフト研削工程において、研削設備に接続したセンサーから、全カムシャフトの主軸動力値や振動のセンシングデータを、エッジデバイスを介して収集。収集したデータを基にAIモデルで推測した品質状態が、品質基準値の範囲内かどうかを判定し、設備側へフィードバックする。
「COLMINA 現場品質AI」の導入によりAIモデルの一元管理やライフサイクル管理を実現
「COLMINA 現場品質AI」をAIモデルと連携させて導入することで、複数の設備に組み込まれたAIモデルの一元管理を実現。また、予測精度が維持されているかどうかをAIモデルの推論結果と検査結果を照らし合わせて常に監視し、予測結果を蓄積・評価することで、AIモデルのチューニング時期を判断でき、必要に応じてAIモデルの再学習と展開が可能となる。