野村不動産ソリューションズ、エスクロー・エージェント・ジャパン、サイバーリンクスの3社は、マイナンバーカードを活用した不動産取引決済における、手続きのデジタル化・自動化に向けた共同研究を実施している。
同研究では、電子契約や電子署名の普及拡大にともない、不動産売買契約や不動産登記申請のデジタル化に対応するため、不動産取引手続きの完全オンライン化に向けた実務フローの検証と実証実験を行っているという。
3社は今回、同研究の第2フェーズとして、2022年5月の宅地建物取引業法の改正に先立ち、現行法に即した形式でオンラインを活用した売買契約を実施したと発表した。
今後は、2022年5月に予定されている改正法の施行後に、完全なオンラインでの売買取引の実施を予定しており、これらの実験的取り組みを踏まえ、将来に到来する不動産取引のデジタル化に対応した新しい取引形態を提案していくと述べている。
研究目的とこれまでの研究結果
マイナンバーカード認証を前提とした不動産売買取引の、完全オンライン化の実現に必要な機能や業務要件の検証を行っている。
詳細は、2022年2月15日の発表にて確認できる。
また、同研究では、2022年5月に予定されている改正法の施行後において、実際の取引の流れを確認すると同時に、不動産事業者・士業専門家のそれぞれの業務領域である不動産売買と不動産登記を横断した、オンライン手続きの進捗や課題点について検証を行う予定だとしている。
今後の計画
第2フェーズでは、6段階のロードマップを設定。その第1段階の検証を「金融機関のローンを利用せず、行政資料は(紙ベースの)現行運用」を前提実証実験を進めているという。今後は、2022年5月に予定している実験の結果を踏まえ、システム要件や業務フローの見直しを予定していると述べている。
また、ロードマップの第2段階として、金融機関のローンを利用したケースも想定したトランザクションモデルの検討を進め、不動産売買契約・金銭消費貸借契約・各種登記申請などの一連の流れをオンラインで実施できる環境の構築に向けた検証を行っていくという。
今後の見通し
- 2022年5月18日:改正宅地建物取引法の施行(予定)
- 同年5月中:マイナンバーカード認証とIT重説を活用したオンライン取引の実施
- 同年6月:金融機関の参画によるローン利用を想定したトランザクションモデルの検討
- 同年内:行政資料を除き、すべてのステップをオンライン化した取引モデルの検証