2026年3月5日、レクシスネクシス・インテレクチュアルプロパティー・ソリューションズは、「Innovation Momentum 2026: The Global Top 100」を発表した。本レポートは、グローバルな特許データに基づき、直近2年間の技術開発の勢いと進化を分析した結果として、世界で最もイノベーションを推進する企業100社を特定している。今回で5回目の発行となる。

分析には、約1,700万件の世界中の特許ファミリーを収録したデータベースと、同社の特許情報分析ソリューション「PatentSight+」が用いられている。今回選出された企業には、半導体、製薬、化学・素材など多様な業界が含まれる。2025年は製薬企業の選出が最多だったが、2026年は半導体分野が14社で最多となり、次いで製薬(13社)、化学・素材(12社)が続いた。
上位100社のうち新規参入は21社にのぼり、先端エンジニアリング、次世代エレクトロニクス、クリーンエネルギー、ライフサイエンスなど多様な領域で新たなプレーヤーが台頭している。このことは、産業界におけるイノベーション勢力図が変化しつつあることを示している。5年間にわたりレポートを発行してきた結果、一貫して選出される企業と新たに選出される企業が共存し、競争環境がますます動的になっている実態が見て取れる。
地域別では、米国企業が46社と最多で、米州全体では47社となった。EMEA(欧州・中東・アフリカ)から27社、アジアから26社が選出されている。アジアの内訳は中国・韓国・日本がいずれも7社とバランスよく分布しており、地域間の差も縮小しつつあると評価される。
日本からは、ダイキン工業、富士通、日本製鉄、東京エレクトロン、信越化学工業を含む7社が選ばれた。うち、富士通、日本製鉄、信越化学工業は初の選出である。これらの企業は、半導体製造装置・材料、先端材料、空調、消費財、エンジニアリング、デジタルといった幅広い領域でのイノベーションが評価された。これにより、イノベーションの中心がコア技術やヘルスケアのみならず、産業や消費者向け応用分野にも広がっていることが示された。
新たな試みとして、共同発明ネットワークの分析も行われており、企業間の協業や知識フローの可視化が進んでいる。これにより、競合評価やキーパーソンの洗い出し、M&Aのデューデリジェンスなど、経営企画部門による高度な意思決定への活用が期待される。
イノベーション推進においては、単一の業界や地域だけで語れない動的な競争環境となりつつある。日本企業も複数の分野でその存在感を示しており、今後の産業・応用領域への展開に注目が集まる。
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