SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

経営変革の「思想」と「実装」

宇田川准教授と語る、組織の“慢性疾患”への処方箋「2onN」とは──他者との関係性で解消する適応課題

ゲスト:大和ライフネクスト株式会社 佐藤加奈氏、大友烈氏

  • Facebook
  • X
  • Pocket

 埼玉大学経済経営系大学院の宇田川元一准教授は、徐々に衰退しつつあるがどこから手をつければいいか分からないという「組織の慢性疾患」状態の打開策として、「2on2」という対話の方法を提唱している。これを課長職向け、役員部長向けのプログラムに取り入れたのが、マンション管理事業を主軸とする大和ライフネクスト株式会社だ。導入を担当した佐藤加奈氏(人事部 部長)、プログラムに参加した大友烈氏(ファシリティコンサル事業本部開発二部企画営業課 課長)にその経緯やプログラムの効果を聞き、宇田川氏とともに取り組みの意義を考察した。 (※編集部注:インタビューはマスク着用の上、実施しました。写真撮影時のみマスクを外して短時間で撮影)

  • Facebook
  • X
  • Pocket

既存事業の成長鈍化と新規事業の必要性を理解しているものの

宇田川元一氏(以下、宇田川):「2onNアプローチ」を取り入れた施策を伺う前に、御社の事業状況について教えてください。

佐藤加奈氏(以下、佐藤):当社は不動産管理会社です。一番大きい事業がマンション管理事業で、そのほかにビル管理や、大友が手掛けるホテル事業などの新規事業もいくつかあります。

 マンション管理は、いわばストック型ビジネスで、お客様であるマンション管理組合から毎月定額の費用をいただき、日々の清掃や設備維持、管理組合運営のサポートや工事など維持修繕のコンサルティングを行っています。当社は「SUUMO AWARD 2022」においてマンション管理会社のスタッフホスピタリティ部門で最優秀賞を受賞するなど、お客様からパーソナルな対応力を評価いただいています。

 ビジネス誌の「マンション管理」の特集などでも指摘されているところですが、最近は管理組合が管理会社を選択する理由が変化してきています。以前は、コスト競争に陥りがちでした。しかし現在は、住民の高齢化による積立金不足、建物の老朽化に対する対応など、管理組合の課題に対して、解決策を提供する管理会社が選ばれるように時代が変化してきました。

宇田川:人口減少という大きなトレンドがあり、マンションも今までのようにどんどん増えるわけではない。施設も老朽化してきて管理に対する要求が高まる中、今まで通りのやり方では収益が圧迫されていく。そんな状況にあるわけですね。

大友烈氏(以下、大友):そうですね。当社の売上の比率は、マンション管理事業で約6割、ビルメンテナンス他事業で約4割となっています。今後は既存の不動産管理事業のみではなく、新規事業を生み出していくことが、会社の成長には必要であり、新規事業の立案などにも力を入れているところです。

宇田川:既存事業のやり方を変えつつ、新規事業もやっていかなければいけない。そのために組織変革の必要がある、という状況にあるわけですね。そんな中、大友さんのような課長向けに「2onN」を取り入れたプログラムを実施されたと聞きました。

佐藤:「マネジメントジャーニー」というプログラムを実施しています。初年度は大友ら課長を対象に行い、今年度は部長陣も対象にしています。全10回の内、初日のガイダンスと最終日の振り返り、7回目のクリティカルシンキングを目的としたセッション以外の6回、「2onN」を行っています。後半にご説明しますが、当社の役員・部長対象にも別の目的で「2onN」のアプローチを取り入れたプログラムを行っています。

佐藤加奈
大和ライフネクスト株式会社 人事部 部長 佐藤加奈氏

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
既存事業へ最適化した組織の課題と「2onN」アプローチ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
経営変革の「思想」と「実装」連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

やつづかえり(ヤツヅカエリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング