企業調査・分析にかかる時間を従来比で20分の1に削減する企業分析SaaS「バフェット・コード」を運営するバフェットコードは、嶺井政人氏(グロース・キャピタル 代表取締役CEO)ほか複数人の個人投資家から、株式による資金調達を実施した。
株式投資において、個人投資家とプロ金融機関の間には、情報格差が存在していた。投資銀行や機関投資家などの金融機関は、ハイエンド・高額な分析ツールを利用して高度な分析を実施している一方、個人ではそうしたツールを契約するのが困難で、存在を知らない人も多いという。
バフェット・コードは、個人投資家の投資判断の質と量を向上させるSaaSプロダクト。また、事業会社での利用も拡大しているという。今後は、M&Aにおける買収候補企業の選定や、精緻な年度予算の策定、類似企業および自社の業績や市場評価の定点モニタリングといった用途への利用がより広がるよう、認知向上とサービス開発を継続していくと述べている。
同社は、今回ブリッジファイナンスとして調達した資金を、エンジニアやデータサイエンティストなどの人材採用、プロダクト改善のほか、情報価値の高い外部コンテンツの購入、マーケティングなどに充当する計画だとしている。
加えて、バフェット・コードを分析ツールとしてのみならず、発行体にとっても直接投資家にIRができる魅力的な場にしたいと述べている。2021年から試験的に実施しているIR支援では、複数の発行体からの依頼を受けて投資家向け会社説明動画を撮影し、投資家に届けてきた。
通常、IR動画は100~200回再生が相場といわれているところ、ココナラとの動画はYouTube上で1万回再生以上、三井物産との動画は9,000回再生を記録するなど、インフルエンサー×IRという新しいIRの可能性を示し、大手企業での導入が進んでいるという。今後も、発行体の流動性の確保と企業価値の適正化に向けて、IR面からも取り組んでいくとしている。
具体的な目標として、2023年内に100万MAU(Monthly Active Users)を目指すという。なお、そこに向けた一歩として、未上場企業のデータベースをリリース。リリース第1弾となる今回は、スタートアップ企業を中心とした未上場企業約5,000社の企業情報を先行して公開した。今後、480万社の未上場企業をカバーすることを目標に、順次データベースを公開していくと述べている。
これにより、未上場企業に対する調査業務の時短とコスト削減を実現するとともに、事業理解を通じてM&Aや事業提携などのエコシステムが円滑化することを期待しているという。
また、個人も法人も平等に使えるハイエンド分析ツールとして事業モデルを構築し、数年内にARR(Annual Recurring Revenue)30億円を目指すとしている。