行動を喚起する自己帰属感を軸にした「新たな体験のデザイン」
道具の「自己帰属感」を考えていくうえで、自分の操作と視覚上にある画面の環境が連動していることが非常に重要になります。実は環境にちょっとでも遅延が入ると「自己帰属感」は急に低下していきます。ちょっと遅延が入るだけでカーソルが発見できなくなってしまう。環境との連動は、自己帰属を感じるうえで非常に重要なんです。その点、iPhoneはとても「追従性」がいい。カーソルはないけれども、画面自体がカーソルであるとも考えられる。画面そのものの動きが指と連動し、それが自己に帰属してくる。これが“気持ちのいい理由”になっているのではないか、と思います。
渡邊氏は、この「自己帰属感」を軸に新しい体験のデザインを考える。