SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

おすすめのイベント

おすすめの講座

実践UX入門

ビービット藤井氏と電通デジタル小浪氏が語る、優れたUX実現のための「ユーザー理解」

第3回

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

 UXを実践していくためには学習が欠かせません。しかし、成功事例を収集したり、セミナーを聞いたりするだけで、なかなか実践に移せないと悩む人も多いのではないでしょうか。学びを実践に活かすには、インプットした情報を整理し、活用できる状態にすることが第一歩です。
 UXインテリジェンス協会(UXIA)による本連載では、UX事例から学びを無駄なく抽出するフレームワークを紹介しています。このフレームワークは「1.時代背景・トレンド理解」「2.ユーザー理解」「3.UXづくり(戦略・事業)」「4.UX・グロース」「5.組織づくり」という5つの要素で構成されています。
 第3回となる本稿では、「2.ユーザー理解」について詳しく説明していきます。優れたUXを実現するための要となる「ユーザー理解」の意味や効果、実践方法について、UXIA事務局長 藤井保文氏と副事務局長 小浪宏信氏に聞きました。

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

「ユーザー理解」の正しい意味と使い方

──まずはUXの要となる「ユーザー理解」とはどういったものか教えてください。

藤井保文氏(以下、敬称略):「ユーザー理解」とは、UXを作るために必要なあらゆるプロジェクトや作業の起点になる言葉だと思っています。対象となるユーザーを理解せずにビジネスやサービスを作るのはもってのほかです。

小浪宏信氏(以下、敬称略):「ユーザー理解」はその捉え方も手法も多様で、正解はありません。しかも、0→1でサービスを構想していくフェーズ、それを詳細に開発・デザインするフェーズ、サービスローンチ後にグロース・改善させていくフェーズと、それぞれでやるべきユーザー理解は異なります。ただ、どのフェーズでも重要なことは、顧客を理解し、その上で企画していくことです。

──お二人とも「ユーザー理解は起点である」と強調されました。そのように強調されたということは、ユーザーを理解せずにUXづくりに入ってしまっているケースが多いということなのでしょうか。

藤井:はい。担当者のドタ勘(土壇場の勘)や海外事例からアイデアを出して誕生したサービスの中には、ユーザー理解のフェーズがまったく含まれていないケースもよくあります。仮にあったとしても、自分たちの作った企画の“答え合わせ”や“最終チェック”としてであったり、社長や役員から聞かれたときのための“言い訳”づくりであったりする様子が見受けられます。この間違ったユーザー理解によって得られた発見から企画がひっくり返されることはあまりありません。しかし、ユーザー理解とは本来“ひっくり返す”ためにするものです。

小浪:私も同意見です。「ユーザーをきちんと理解する」といったステップを省いてサービスを作ってしまうケースは結構多いと感じています。

 これはカスタマージャーニーづくりにおいても同様です。「顧客に寄り添おう」という想いで作ったとしても、実は企画者の感覚や経験に寄ったジャーニーで、ユーザーの思いや行動とギャップのあるものが作られてしまうことがあります。それが企画の源泉になってしまうと、結果的に出来上がったサービスもユーザーが求めるものとはかけ離れてしまいます。

藤井:見た目上うまくできているUXだったとしても、実は企画者の頭の中で描いただけのユーザーシナリオになってしまっていることがあります。ユーザー不在のUXはUXではありません。これはUXを作る上で大事なポイントだと思っています。

──「企画者の感覚でユーザー像を作らない」「ユーザー不在のUXはUXとは呼べない」とのことですが、それはつまりユーザーを実際に呼んだ対面でのヒアリングが必須ということでしょうか。

藤井:ユーザー不在となってはいけませんが、実ユーザーを呼ぶことが必須というわけではありません。確かにこれまでの話だけ聞くと、実ユーザーにヒアリングしたり、実際に使ってもらったりするプロセスこそがユーザー理解なのだと捉えられるかもしれません。ですが、本物のユーザーを連れてくることだけがユーザー理解というわけではありません。すべてのプロセスに定性調査を入れるとなるとかなり負荷が高くなり、クイックに進められない場面がありますしね。

小浪:フェーズやプロジェクトに活きるインプットが得られるのであれば、ユーザー理解の手法は自由でよいと思います。大切なのは、目的意識をきちんと持つことです。何をユーザーから聞きたいのか、それを聞くにはどうすればよいか、これらの観点を持ってさえいれば、実ユーザーにこだわらなくてもいいですし、対面ではなく電話調査でもいいかもしれません。

 私が所属している電通デジタル社内のSlackでは、常日頃から「今こういう状態の人はいませんか」「こんな人を探しています」といったやりとりが行き交っています。クライアントやプロジェクトのユーザーを、まずは社内で探しているのです。このぐらい簡単なことでもユーザー理解といえるのです。

画像を説明するテキストなくても可
一般社団法人UXインテリジェンス協会 副事務局長/株式会社電通デジタル CXトランスフォーメーション部門 部門長 小浪宏信氏

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
ユーザー理解の効果と成功事例

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
実践UX入門連載記事一覧
この記事の著者

一般社団法人UXインテリジェンス協会(UXインテリジェンス協会)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング