二種の起業家それぞれに足りない要素
琴坂:一方で、リーマンショックを乗り越えて、2010年代に入るとスタートアップのエコシステムに以前とは比較にならない規模の資金が流入し、資金調達が容易になりました。そして、その前の世代のスタートアップから独立することや、プロフェッショナルファームを経験したのちに起業を選ぶ経営人材が次第に積み重なったこと。さらには、VCだけではなく、スタートアップに詳しい弁護士、会計士、ヘッドハンターなどさまざまな専門職の方々のすそ野が広がったこともあり、オポチュニティ・ドリブン・アントレプレナーが増加していきました。
そう考えると、スタートアップが世の中に定着し、情報が流布してきたことで、投資銀行や戦略コンサル、もしくは大企業で勤めている人材までもが起業に挑戦し始めたのは直近10年のことかもしれません。