ドーモは、BIツール導入企業における利用状況および利用効果の実態を把握するため、2023年3月に第三者調査機関に委託し、全国のBIツールを導入している企業に所属する20歳以上65歳未満の管理職(経営者、部長クラス、課長・次長クラス、係長・主任クラス)308名、一般社員133名の計441名を対象に、市場調査を実施した。
同調査では、会社全体および管理・所属している部門におけるBIツールの活用率を以下の4つに区分し、活用率に応じてBIツールから得られる効果実感の違いについて調査したという。
- 全社的活用企業:BIツール活用率75%以上の企業
- 準全社的活用企業:BIツール活用率50%以上75%未満の企業
- 準限定的活用企業:BIツール活用率25%以上50%未満の企業
- 限定的活用企業:BIツール活用率25%未満の企業
調査結果
BIツール活用率の増加にともなう利用効果
BIツールを導入している企業の管理職・一般社員に、BIツールの利用により明確に実感している効果として、「業務効率化」「売上拡大」「新規ビジネスの創出」「意思決定・アクションのスピード向上」「従業員の生産性向上」「従業員の満足度向上」のそれぞれの効果度合いを聞いたところ、全社的活用企業では、各効果において「最も効果が高い」と回答した割合が全体で55.7%と、限定的活用企業(4.0%)と比べて、51.7ポイント高いことが分かった。BIツールを導入するだけではなく実際の活用率が高いほど、BIツールの効果も高くなる結果となった。
BIツール活用率によるビジネス成長への効果実感
BIツールを導入している管理職に、BIツールの利用により明確に実感している効果について聞いたところ、1位「業務効率化(32.5%)」、2位「従業員の生産性向上(19.8%)」、3位「売上拡大(14.7%)」と、業務におけるコスト削減などの効果が上位となった。
BIツールの活用率別に回答を見ると、限定的活用企業では、「業務効率化」と「従業員の生産性向上」のコストカットに関わる効果が主となっているが、全社的活用企業では「売上拡大」「意思決定・アクションのスピード向上」「新規ビジネスの創出」のビジネス成長に関わる効果を実感している割合が全体で42.1%と、限定的活用企業(32.5%)と比べ、9.6 ポイント高い結果となった。BIを導入するだけではなく、実際の活用率が高いほどビジネス成長に関わる効果が高い傾向にあることが分かったという。
BIツール活用率と管理職の利用頻度
BIツールの1日あたりの利用頻度を管理職に聞いたところ、「1回(34.7%)」が一番多い結果となった。BIツールの活用率別に回答を見ると、限定的活用企業では、管理職の約8割が1日あたり1回しかBIを利用していない。一方、全社的活用企業では、半数以上の管理職が1日あたり5回以上BIツールを利用している。BIツールを導入するだけではなく実際の活用率が高いほど、BIツールの大きな効果が出ている割合が増えることからも、従業員の利用頻度を上げることが重要だと言えるとしている。
調査概要
- 調査名:BIツール導入企業における利用状況及び利用効果市場調査
- 調査目的:企業におけるBIツールによるデータ活用の現状とBIツール利用による効果測定を把握する
- 調査方法:Webアンケート形式(ドーモ株式会社が第三者調査機関に委託)
- 調査対象:日本全国のBIツールを導入している企業に所属する20歳以上65歳未満の経営者/部長クラス/課長・次長クラス/係長・主任クラス/一般社員(n=441)
- 調査期間:2023年3月下旬
調査における各用語の定義
- 業務効率化:業務時間の短縮、業務プロセスの短縮、特定作業の削減など(業務にかかるコストの低減)
- 売上拡大:事業方針の最適化、営業施策の高度化など
- 新規ビジネスの創出:部門横断のデータ活用によるビジネス分析、新たな顧客層の発見など
- 意思決定・アクションのスピード向上:属人化する経験や勘からデータ活用への移行、リアルタイムでの集計/分析/共有による迅速化など
- 従業員の生産性向上:業務の平準化、業務内容の最適化、業務内容の改革など(業務における成果の向上)
- 従業員の満足度向上:従業員のモチベーション向上、従業員の定着率向上、ストレスチェックおよび従業員アンケート結果の改善など