日本総合研究所(日本総研)、京都大学、京大オリジナルは、カーボンニュートラルの実現に向けた産官学の連携体制の構築や、共同研究および新規事業の創出を目的として、3者による協業活動の協定を締結した。
同協定において3者は、京都大学が開発中の技術シーズからカーボンニュートラルの実現に必要なものを見極め、それらと民間の知見を組み合わせることで、新たな技術の実用化を図る。そこから新たなサービス、インフラを創出することを目指すという。
同協定では、たとえば、食品産業の製造過程で発生する廃棄物などについて、バイオマス資源やプラスチックや建材などに転換する仕組みの構築を行うなど、デマンド側の取り組み(デマンド・ドリブン)を推進。京都大学の技術シーズを中心に民間企業の持つ知見をすり合わせながら活用し、炭素循環(カーボンサイクル)が構築できる新しいインフラの整備を目指すとしている。
なお、同協定の締結に先立ち、3者はカーボンサイクルイノベーションコンソーシアム(以下、CCIコンソーシアム)を9月に設立。将来、再生可能エネルギーが主要エネルギーとなった場合、化石燃料の利用が激減することになるため、CCIコンソーシアムではそのための新たな炭素循環の仕組みを検討する。製造業やバイオマス発電所などから排出されるCO2および廃棄物系バイオマスなどを資源として、カーボンサイクル拠点で化学材料や飼料や燃料などに転換するといった、一次産業と二次産業が連携した形による新たな産業インフラの構築を目指すという。
3者は今後、カーボンニュートラルに向けたあるべき姿の議論、共同研究や実証実験の企画、民間企業や政府機関と協働した研究会・コンソーシアムの企画、情報発信、政策提言、外部機関との連携などを推進するとしている。