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Biz/Zineセミナーレポート

SMBCに学ぶ、大企業におけるデザイン組織の立ち上げとデザインの導入──歴史ある企業で成果を出す方法

【講演者】株式会社三井住友銀行 金子直樹氏、松下耕太郎氏

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 三井住友銀行は2016年に、DXや顧客体験向上を支援するインハウスデザイナーの採用を開始した。メガバンクの大きな組織において少人数のデザインチームは、どのように「デザイン」文化を組織に浸透させてきたのか。2023年10月18日に開催された「Biz/Zine Day 2023 Autumn」において、株式会社三井住友銀行のデザインチームのチーフデザイナー 金子直樹氏とデザインマネージャー 松下耕太郎氏が「大企業におけるデザイン組織導入」というテーマで講演を行った。講演の内容をレポートする。

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約150年の歴史を持つ三井住友銀行において、わずか7年前に誕生したデザインチーム

 まずは松下氏より、三井住友銀行内における「デザイン」そしてデザインチームの歴史と位置づけについて説明があった。

 三井住友銀行は、1876年に創立した三井銀行と、1895年に創業した住友銀行を起源としており、約150年の歴史がある。一方、三井住友銀行のデザインチームは発足からわずか7年、総勢10名前後の若く、少数精鋭のチームである。2016年に顧客体験全体を向上させるため、企画部門にデザインチームを同床化しようとしたのがきっかけだ。

 2015年以前は企画部門がビジネス企画と要件定義を行い、開発やデザインは外部に委託してきた。しかしその仕組みでは顧客と開発者の間に距離があり、顧客ニーズがうまくサービスやプロダクトに反映されていなかったケースがあったという。

SMBCの以前の開発プロセス
クリックすると拡大します

 しかし現在は、デザイナーが企画部門と企画を考え、外部パートナーとも連携しながら実際のデザイン・開発を行う形へと移行した。一気通貫して全体のプロセスにデザイナーが関与するようになったため、顧客の意見をよりプロダクトに反映できるようになった。

SMBCデザインチームの開発プロセス
クリックすると拡大します

 これが結実し、今年の3月には「Olive」という個人向けモバイル総合金融サービスがリリースされた。預金管理だけでなく、クレジット、証券、保険といった、様々なグループ企業や提携企業の金融サービスと連携・利用できるもので、Oliveという名前には「Live=暮らし」を「Oで丸く繋いでいく」という意味が込められているという。足掛け2年のプロジェクトであり、デザインチームがクリエイティブ面を先導した代表例である。

 リリース後、8月までの約半年間に100万人がアカウントを開設しており、「多くの顧客にご利用・ご評価いただいている」と松下氏は語る。現在もウェブ上のSMBCのコミュニティサイトに届いた意見や、日々の利用データを分析し、企画メンバーとデザイナーがともに、機能やサービス仕様の改善に努めているという。

 現在のデザインチームには多種多様なバックグラウンドを持つメンバーが揃っており、フリーランスや大学の教員といった経歴を持つメンバーの他、松下氏自身も新卒で日系の電機メーカーに入り、ハードウェアのプロダクトデザインやサービスのデザイン開発に従事してきた経歴がある。

 デザインチームはデジタルプロダクト開発の他に、課題解決ワークショップやセミナーなどの社内デザイン浸透まで、幅広く取り組んでいる。また、チームビルディングの一貫としてメンバー全員によるワークショップを行うなど「全員がこのチームは何ができるか、何をしたいかを考えている前向きなチーム」と松下氏は話す。

松下耕太郎
株式会社三井住友銀行 リテールIT戦略部 上席推進役、デザインマネージャー 松下耕太郎氏

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雨宮 進(アメミヤ ススム)

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