デンソーは2026年3月31日、2026年度から2030年度までを対象とする新たな中期経営計画「CORE 2030」を策定したと発表した。2030年を見据えた企業変革を目指す本計画は、従来の「2025年中期方針」を発展させ、市場・社会環境の変化を踏まえた成長戦略と具体的数値目標を示している。

今回の中期経営計画では、「モビリティから広がる未来社会を人の可能性で実現する企業」を目指す姿に据え、成長戦略の柱として以下三つの領域強化を掲げた。
まず一つ目は「商品づくりの強化」である。デンソーは、世界各地のモビリティの多様化に対し、自社の技術で各国の要請に応える価値を提供する方針だ。半導体分野の高性能化・省力化や材料開発など基盤技術の深化を進めるほか、機械・エレクトロニクス・ソフトウェアを統合したシステム提案力によりエネルギーマネジメントやADAS(先進運転支援システム)のシステム化価値向上を狙う。これらの強化に向けて2030年まで5年間で研究開発費3.7兆円を投入し、電動化・知能化を推進することで現状の約1.5倍となる約4兆円の関連売上を目指す。
二つ目は「モノづくりの革新」だ。デンソーは長年培った独自ノウハウとAI(人工知能)技術を融合させた開発・生産プロセスの強化に取り組む。愛知県西尾市に2027年竣工予定の善明南工場ではAI活用によるモノづくり革新を実装し、飛躍的な生産性向上を図る。
三つ目は「人づくり・パートナー共創」である。業界内外のパートナーとの連携強化および自動車技術の他分野への展開を進める。農業・FA(ファクトリーオートメーション)領域の生産性向上に寄与し、2030年には農業で1,000億円、FAで3,000億円規模の売上を目標とする。また、車載半導体技術の産業・民生機器向け転用により、シナジーを拡大し企業成長を加速する。
主な経営指標では、2030年に売上高8兆円以上、営業利益率10%以上、ROE11%以上、株主還元などへの投入8兆円以上、DOE4.0%以上を掲げる。加えて、低炭素化やADASの普及拡大、農業・産業分野での生産性向上などの目標も設定した。
説明資料は同社コーポレートサイトで公開している。
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