JTBは2025年11月21日、2026年3月期第2四半期の連結決算概要を発表した。2025年度は「新」交流創造ビジョンのフェーズ3「成長・飛躍」の初年度として、ビジネスモデル変革の加速と経営基盤強化、事業の持続的拡大を重視してきた。
ツーリズム市場は回復傾向が続き、観光庁によると2025年4月から8月の総取扱額は前年同期比103.6%となった。国内市場では大阪・関西万博による需要喚起も進み、訪日外国人客数は1月から9月で3,000万人を超え、過去最速を記録。JTBグループの旅行事業全般が前年を上回り、訪日旅行やグローバル旅行が成長を牽引した。また、会議・イベント、ビジネストラベルも計画を上回って推移した。
グローバル領域では欧州のDMC(目的地管理会社)事業が伸長した。さらに、ツーリズム業界B2Bメディア最大手・Northstar Travel Group社の株式譲受に関する投資判断も進めた。
ツーリズムでは、法人領域で教育・企業分野向け課題解決型提案が奏功。2026年3月のWorld Baseball Classic公式ホスピタリティ&トラベルプログラムの企画・運営・販売権利を獲得し、スポーツビジネス強化にも注力した。個人領域では顧客満足度向上のため、顧客対応環境やデジタル機能の強化、会員特典拡充に取り組んだ。訪日インバウンドについては地域特性に合わせた事業体制を整えた。
エリアソリューションでは観光DXとして「JTB BÓKUN」による予約統合管理や、AIレコメンドを活用した大阪の周遊促進デジタルプロモーションを展開。ふるさと納税、ガイドブック、消耗品販売なども好調だった。新たなナイトエンターテインメント事業「OSAKA VARIETY ACT SHOW」開始など、地域活性化策も推進した。
ビジネスソリューション領域ではABM戦略や新規事業開発「未来創造部会」でBPO等の成長を図ったほか、ビジネストラベルでは「ビズバンス出張予約」導入による生産性向上・サービス品質強化を進めた。
今後は、DXや持続可能性、事業ポートフォリオ変革による中長期の成長と、経営効率・収益性の改善を目指す方針である。
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