レゾナックと九州大学 グリーンテクノロジー研究教育センター、および丸紅、三井住友信託銀行は、資源循環型社会九州モデル構築のための共同事業体として、「知の拠点」を2024年1月9日に形成した。
同拠点は、九州地域において産業界や自治体から排出される廃棄物や未利用資源を活用する、九州地区初の地産地消型プロセスを確立するため、課題を抽出・整理し、解決するための「協議の場」とすることを目的にしているという。
同拠点では、九州地区における一般・産業廃棄物からのプラスチックの収集・分別・再資源化方法、および油化・資源利用技術に関する事業について、今後10年以内に実用化するための方策を検討するとしている。
現状のリサイクルプロセスでは、廃プラスチックの約60%がサーマルリサイクルされているという。この方法では、廃プラスチックを燃焼させて熱エネルギーとして回収するが、廃プラスチック中の炭素分はCO2となって大気中に排出されてしまうため、脱炭素社会の構築には、廃プラスチックをプラスチック製品に再生する技術として、マテリアルリサイクルに加えてケミカルリサイクルを社会実装することが必要だという。
九州地域は首都圏と比較し、人口密度が低く廃プラスチックなどの資源が分散していることから、まずは小型分散型、地産地消のプロセスの導入を検討。レゾナックは、各地域から排出される廃プラスチックを石油代替資源として活用し、同社の大分コンビナートにおいて基礎化学製品に転換することで、将来的にはプラスチックに戻すことを目標にしていると述べている。