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実践フェーズの人的資本経営

リクルート柏村CHROに聞く、生存戦略としての人的資本経営──「個をあるがままに生かす」を科学する

【前編】ゲスト:株式会社リクルート 執行役員 CHRO 柏村美生氏

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 本連載ではUnipos株式会社田中弦CEOが有識者や実践者との対談を通じて「人的資本経営」の本質を追求していく。今回は株式会社リクルートホールディングス 執行役員であり、株式会社リクルート 執行役員(CHRO、広報・渉外、サステナビリティ担当)の柏村美生氏を迎え、創業時から人的資本経営の重要性を信じ、実践してきた同社のDNAと最新のチャレンジについて聞いた。

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「価値の源泉は人」は創業時から変わらない

田中弦氏(以下、敬称略):リクルートについて世間では、新卒採用者がすごく多くて、深夜までめちゃくちゃに働いて……というイメージがまだまだありますよね。

柏村美生氏(以下、敬称略):今は全然違うんですよ。

田中:どのように変わってきたのでしょうか。

柏村:私は2004年に上海で中国版『ゼクシィ』を立ち上げましたが、それまでは国内事業だけのドメスティックな会社でした。それが今では60カ国以上で事業展開していて、海外売上比率は53%になっています。事業内容も、紙メディアから始まってオンラインメディアやオンライン予約に進出し、その後はマッチングプラットフォームとSaaS、今はフィンテックも加わって……とビジネスモデルも大きく変化しています。

田中:短期間に大きく変わったのですね。それに合わせて人事戦略も変わりましたか。

柏村:はい。大きく影響したのは、インターネットビジネスの台頭で紙からデジタルへというトランスフォーメーションが見えてきたことだったと思います。

 おっしゃる通り、20年くらい前のリクルートは新卒入社の社員が多く独自の用語やカルチャーもあって、キャリア採用の方がなじみづらい雰囲気があったかもしれません。でも、紙からインターネットへビジネスモデルを変えていく中で、エンジニアやデータサイエンティスト、WEBデザイナーなどの専門スキル人材は増え、多様性から生まれる良質なカオスが生まれました。その当時より多様なバックグラウンドを持つ従業員が集い、成果を出す健全な場としてアップデートし続けていると思います。

田中:逆に、変わらない部分はどこですか。

柏村:創業以来の経営理念のど真ん中にある、「個の尊重(Bet on Passion)」というベースは変わりません。個人の「らしさ」や好奇心を生かし切るということを60年以上前の創業の頃から言っていました。こういう考え方をする会社は、当時は珍しかったと思います。

田中:リクルートは、「人的資本」を個人に帰属するものだと認識されているように感じます。「人材は会社のもの」という考え方で人事異動などを会社の采配一つでやってきた日本企業とは、大きく違いますよね。

柏村:社史を紐解くと、1980年の時点で常務取締役が「会社は個人が実現したいことを支援する」と書いています。今ならまだしも、40年も前にこれを言っていたのは驚きですよね。好奇心が情熱を生み、新しい価値の創造の根源になるという考え方は、そこからずっと変わっていないと思います。

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やつづかえり(ヤツヅカエリ)

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