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実践フェーズの人的資本経営

老舗5代目社長がエフェクチュエーターとして組織風土を改革──なぜ視察が絶えない工場が生まれたのか？

前編

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MBAで学んだ論理を手放し、感性の経営に倣う

　カクイチの多角化を牽引したのは、5代目である田中離有社長だ。

画像を説明するテキストなくても可
株式会社カクイチ 代表取締役社長 田中離有氏

　4人兄弟の末子として育った田中氏は大学卒業後、カクイチとは無関係だが、同じく同族経営の中堅メーカーに入社した。事業が急成長していたため、若手でも大いにやりがいのある仕事ができた。しかし同時に、地方の中規模同族企業の課題もまざまざと感じたという。

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