スタートアップ投資の初期段階では“期待値調整”が大切
中垣:石井さんは、周囲の理解をなかなか得られない中で、どのように投資実績を増やしていったのですか。
石井:ひとまずスタートアップ投資の焦点を、事業シナジーから財務リターンへと寄せました。企業の方針上は事業シナジーの創出を目的に据えていても、財務リターンが出れば出たで経営陣も成果を実感でき、評価してくれるだろうと考えたわけです。実際、投資したレイターステージのスタートアップがたまたま1年余りで上場したこともあり、それ以降は経営陣もCVC活動を前向きに捉えてくれるようになりました。