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イノベーション迷子に贈るグラフィックガイド

「“とりあえず”始めて“とりあえず”終わらせていない新規事業プロジェクト」を生まない2つの方法

第2回

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将来のリスク×インパクト

 今働いている会社の将来について、どのくらい考えたことがありますか。3年後には自分はまた異動だろうな、というごく近い将来よりもっと遠くの、たとえば50年後、100年後について考えることはあるでしょうか。主力事業が将来脅かされうる社会変化に対するリスクヘッジとして、新規事業プロジェクトを位置づけるという考え方があります。ここからは、「将来のリスク×それが起きたときにもたらすインパクト」についてご紹介します。

 たとえば航空産業を考えてみましょう。将来の社会変化がもたらすリスクは何でしょうか。たとえば、荷物を航空機ではなくドローンが運ぶ未来。あるいは、酷暑や雷雨などの異常気象により離着陸作業に適した時間帯がほぼ存在しない未来、世界的な戦争によって飛べるエリアが極端に制限される未来。また、これは我々がコロナ禍に実感したことですが、Web会議で出張が代替される未来。

 そんなこと、起こるはずがない! と思うような未来もあるでしょう。とはいえ、可能性は低いものも、ひとたび起きた場合には業界のルールをひっくり返すだけの規模になりえます。もし、今の事業を大きく代替しうるような事業領域が存在するのであれば、一定額を費やしてその業界の事業を試み、その業界の当事者となることによって、リスクとリターンを学べるでしょう。ドローンが爆発的に普及したら? 位置情報の攪乱がより広域に発生したら? XRが一般的になったら? より遠くの時間軸を考えたとき、様々な“もし”が浮かぶのではないでしょうか。

 テクノロジーの進化によって、我々の社会は確実に便利に、快適に、そして安全になっています。とはいえ、未来は決してバラ色だけではありません。現在既に始まっている破壊的変化の萌芽を捉え、未来のリスクを考えてみましょう。

 とある企業では次世代サービスを考える際に、SF小説を書くというアプローチを採用していると聞きます。「自社が何を行うか」の大前提として、「未来の社会はどうなっているか」を大胆に想定するために、超楽観的・超悲観的なストーリーを描いてみることも助けになるでしょう。

 では、50年後・100年後に来るかもしれないものに対してアンテナを張るためにはどうしたらよいでしょうか。1つにはもちろん想像力、そしてもう1つはこれからの社会変化に対応して事業拡大を目指しているようなスタートアップを知ることが有用です。自社の中に閉じこもることなく、カンファレンスなどに足を運んで実際に会って話してみることをお勧めします。

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「とりあえず終わらせていない」プロジェクトたち

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この記事の著者

三吉 香留菜(ミヨシ カルナ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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