「ビジョンプロジェクト」で全社的なエンゲージメントの強化を目指す
宮森:私は光栄にも、大澤さんがマレーシア味の素の社長に就任されてから、コーチングを担わせていただいています。そこで大澤さんは、Autonomous とCo-Creativeという言葉をキーワードに、「自ら考え、行動する文化作り」を志向されました。その一環として、2024年9月から11月まで「ビジョンプロジェクト」が推進されました。この取り組みの背景や、実際の反応についてご説明ください。
大澤:このプロジェクトを始めたきっかけは、会社のビジョンが社員に認知されておらず、形骸化していると感じたことでした。味の素マレーシアでは、一部の上位職によって2030年に向けたビジョンが既に策定されていたのですが、社員に尋ねると「何でしたっけ?」という反応が返ってきたんです。私自身にとっても、そのビジョンは正しい方向を示していると感じるものの、わくわくする内容ではありませんでした。それを見て、これでは組織が一丸となって、目標に向かうことは難しいと痛感しました。