サプライチェーン変革による利益率向上が不可欠
真畑:今のお話に共感しつつ、おそらくCLOに就くのは多くの場合、それまで荷待ちの時間や積載効率の改善をKPIにして仕事してきた物流の責任者たちではないかと思います。その場合も、その立場で得られる情報量の多さから、着任者は経営メンバーとしてのマインドセットに切り替わるでしょうか。
梶野:CLOという役職が与えられたとしても、実際に経営レベルの意思決定ができるかどうかは、その個人のリーダーシップや視座に委ねられます。単に情報が与えられたからといって、適切な問いを立て、戦略を実行できるわけではありません。CLOが経営の視点を持ち、企業全体の最適化を図る役割を果たせるかが、日本企業にとっての課題になるでしょう。それを司るのは先の話で言うところの、IQではなくEQだと思います。CLOを任命する人、そして就く人たちのリテラシーが試されるのではないかということです。