博報堂の専⾨組織・生活者発想技術研究所傘下の博報堂⾏動デザイン研究所は、15〜69歳のスマートフォン保有者を対象に「情報行動・欲求に関する調査」を実施した。
同調査において、「情報プール」は、同研究所が開発した次世代型行動デザインモデル「PIXループTM」で提唱している、生活者が自身の欲求を満たせる役立ちそう・おもしろそうな情報を、SNSや街などの日常からうまく引き寄せ“ためておく”情報行動を指す。
情報プールの有無
「情報プールがある」割合は、コロナ禍での調査(23年実施)と比較して全体で4.8ポイント減。性年代別で見ても、男性10代・男女60代を除く現役世代では全体的に減少傾向だった。
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情報に関する実感
「情報は伝える速さよりも内容の確かさ」「世の中の情報量は多すぎる」といった情報量や情報の真偽・扱い方への不安のほか、「インターネット上での道徳や基本的な使い方について、指導が必要」「気になるニュースは複数の情報源で確かめる」など、情報を受け身で引き寄せるだけでなく、引き寄せた情報を主体的に吟味する姿勢が強まっていることがうかがえる。
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当てはまると思う「12欲求」
同研究所が定義した、情報プールや気持ちの発火の元となる「12欲求」について、24年調査の値とコロナ禍での調査(23年)との差を性年代別に見ると、安全・損失回避・簡便を求める「安心系欲求」が23年同様上位に並んだが、値としては特に男性20~30代・女性10~30代が減少傾向となった。また、現役世代全体で愉楽欲は減少。楽しみたい気持ちにも落ち込みが見られる。
一方、女性10~20代では元々高い独占欲・競争欲が増加しており、若年層では自己実現につながる消費意欲が高まりつつある可能性もうかがえる。
![12欲求:2024年調査[画像クリックで拡大]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11371/3.png)
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![12欲求:23年調査との差分[画像クリックで拡大]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11371/4.png)
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今後強くなると思う意識
「安全・安心に暮らしたい(安全欲)「今のうちにできることをしたい」「自分の身は自分で守らないといけない」が上位3つで、23年からも増加。「失敗や損失を避けたい(損失回避欲)」「より節約した生活をしたい」も高く、物価高や海外情勢・戦争などの情勢不安により、新たな不安の高まりが予想されるという。
一方、「自分の好きなことに時間を使いたい」「物事をもっと楽しみたい(愉楽欲)」も値としては高く、先行き不透明な状況の中で楽しみを見いだそうとする意識の高まりも期待されるとのことだ。
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![同研究所が定義した「情報プール」、気持ちの発火の元となる「12欲求」[画像クリックで拡大]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11371/6.png)
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調査概要
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2024年 情報行動・欲求に関する調査
- 実施時期:2024年11月5〜7日
- 調査方法:インターネットリサーチ(全国)
- 対象者:15〜69歳のスマートフォン保有の男女
- サンプル数:2,000人
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2023年 情報行動・欲求に関する調査
- 実施時期:2023年1月13〜16日
- 調査方法:インターネットリサーチ(全国)
- 対象者:15〜69歳のスマートフォン保有の男女
- サンプル数:2,000人
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