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合言葉は「おもてなしオートメーション」 業界全体の不を解消するウエディングパークの事業開発

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挙式後のアンケートでは接客改善に間に合わない

──今うかがった市場動向や業界課題を踏まえて、バリューデベロップメント本部ではどのような新規事業を開発・展開していますか?

 「おもてなしオートメーション」というテーマの下、従事者の皆様が価値を創造するための“余白”を仕組みで生み出すチャレンジをしています。具体的な仕組みは、ウェディング業界特化型可視化ツール「survox(サーヴォックス)」です。

 survoxは、カップルに向けたアンケートの実施や接客時の会話内容を録音・要約を可能にするツールです。定性・定量のデータを可視化し、結婚式の体験価値向上や従業員満足度の向上に貢献します。

 結婚式の当日を迎えるまで、カップルとプランナーの間には4~6回の打ち合わせが発生します。通常は挙式後に式場からアンケートが届き、打ち合わせや式の満足度を問われますが、もっと手前の段階でアンケートを実施すれば、接客や式をブラッシュアップできるはずです。そこで、打ち合わせが終わるたびにアンケートを実施し、カップルの不安や不満、プランナーに向けた感謝の言葉などを式場にフィードバックする仕組みがsurvoxです。

 またsurvoxには音声AIを用いた追加機能があり、打ち合わせの内容を自動で文字に起こして議事録を作成することができます。プランナーによっては3時間の打ち合わせを一日に2~3回、多い日は4回実施するケースもあるため、追加機能を用いれば議事録作成に要する時間を大幅に短縮できるのです。

 結婚式には多くのパートナー企業が関わっています。プランナーはドレスの会社や生花店などのステークホルダーに、カップルの情報を伝達しなければなりません。情報伝達の精度がプランナーによってまちまちな場合、結婚式のクオリティに影響します。情報伝達の精度向上がsurvoxのもう一つの提供価値です。

──業務効率化だけでなく、スキルの平準化も叶えているんですね。

見積もりと契約料金に100万円超のギャップ!?

 survoxのオプション機能「おもレビAI」も、接客スキルの平準化を支援するサービスです。トッププランナーの打ち合わせを自動でシナリオ化し、他のプランナーの打ち合わせの議事録と比較した際の差分を可視化します。

 これまで結婚式場の打ち合わせはブラックボックスの状態にあり、接客の属人化が進んでいました。おもレビAIによって、全員が70~80点の接客を目指せるようになります。

──survoxは、ウェディング業界で働く人の体験価値を向上するサービスだと感じました。式を挙げるカップルの体験価値を向上するサービスもあるのでしょうか?

 結婚式費用のシミュレーションサービス「mieruupark(ミエルーパーク)」は、挙式を控えるカップルの “不”をダイレクトに解消するサービスです。結婚式場のあるあるの一つに「最終的な契約料金が初期見積もりの金額から大幅に上がる」というものがあります。中には100万~150万円も上がるケースがあり、顧客満足度の低下にもつながりかねません。

 mieruuparkは、式場を見学する前のカップルが挙式にかかる費用をシミュレーションするためのサービスです。希望の時期や招待人数、食事のコース、ドレスを選ぶと、その式場で挙式をした場合の費用感や内訳が確認できます。式場が提供する正確なデータを基に算出するため、見積もりとの乖離が少なく、金額のイメージを持った状態でプランナーとの打ち合わせに臨めます。

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競合は隣の式場ではなく隣の業界

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この記事の著者

渡辺 佳奈(Biz/Zine編集部)(ワタナベ カナ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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