アビームコンサルティングは、日本の企業内における人材ミスマッチの実態を明らかにするため、人事・経営企画部門に所属する管理職500名を対象に調査を実施した。
調査結果詳細
1.【量のミスマッチ】6割の企業で人材不足と過剰が同時に発生
企業の約9割が「人材不足」、約6割が「人材過剰」と回答。年齢別では30代・40代に不足が集中し、過剰は50代に加え40代でも広がっている。

61%の企業で「人材不足」と「人材過剰」が同時発生。いずれも発生していない企業はわずか5%にとどまるなど、構造的なミスマッチが広く浸透している実態が明らかになった。

人材不足と過剰が同時に発生しているのは40代が最多で、次いで30代(①)。30代では約7割、40代でも半数以上の企業で需給ミスマッチが生じている(②)。このことから、働き盛り世代の人材が十分に活用されていない実態が可視化された。

2.【質のミスマッチ】8割の企業で職務要件に対してアンダースペックまたはオーバースペックが発生
企業の約9割で職務要件に満たないアンダースペック、約8割でオーバースペック人材が発生。特に30代・40代の働き盛り世代で能力が生かしきれず、社内の流動性の低さが浮き彫りになった。

3.【報酬のミスマッチ】8割の企業で従業員の能力や役割に対し報酬が過大または過小となる報酬ミスマッチが発生
企業の約8割で、成果と報酬が一致しない報酬ミスマッチが発生。特に40代・50代は報酬が成果を上回る傾向が、30代・40代では逆に報酬が成果を下回る傾向が見られる。ジョブ型制度の導入が進む中でも年功的な運用が残ることで、人材の滞留や配置の硬直化を招いている実態が明らかになった。

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