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企業価値向上のためのFP&A

ENEOSが挑む、ROIC経営を加速させるFP&A組織──立ち上げ背景にあったPBR1倍割れの危機感

ゲスト:ENEOSホールディングス株式会社 田中聡一郎氏、ENEOS株式会社 開沼公雅氏

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AIはFP&Aにどのような影響を与えるのか

池側:今後の展望として、デジタル技術やAIをどのようにFP&A業務に取り入れていく予定ですか。

開沼:「データドリブン経営の強化」は、FP&Aの土台を作る最優先事項です。現在はExcelでのバケツリレー的な集計作業を削減し、経営判断に必要な情報を可視化できるダッシュボード環境を検討中です。さらに、FP&A領域全般でのAI活用も視野に入れています。たとえば、インターネット情報のみならず、社内の業務データをAIに取り込むことで、コスト削減のポテンシャルをAIに提言させることが可能になるのではないかと考えています。

田中:そのために、AI専門部署との連携を深め、将来的にはCFO組織内にデータサイエンスの知見を持つIT人材を強化していくことも必要だと考えています。データが整備され、AIが定型的な分析を代替できるようになれば、FP&Aは「集計」という作業から自由になる可能性があります。そのとき初めて、本来の使命である「分析」と「施策提言」に100%の時間を割けるようになるのです。これが実現して初めて、FP&AはENEOSという巨大組織の「神経細胞」として機能し、変化の予兆をいち早く捉えて全身に指令を送る役割を全うできるようになりますね。

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FP&Aを経営人材のキャリアの武器に

池側:最後に、ENEOSにおけるFP&A組織の未来像と、読者へのメッセージをお願いします。

田中:私たちが目指す究極の姿は、「全社のいたるところで、日々の些細な業務であっても、常にROIC向上が意識されている」という状態の実現です。FP&Aが直接改善の旗を振るのではなく、主役の事業部が自発的に「どうすれば資本効率が上がるか」を考え抜き、FP&Aがそれを高度な専門性で支える。この信頼関係に基づいた伴走を続け、相当チャレンジングとは思いますが、2026年度中にはFP&A機能の一定の構築をさせたいと考えています。

 また、FP&A組織を「将来の経営人材を輩出する登竜門の一つ」にしたいと考えています。事業の構造を深くから知る「ビジネス・リテラシー」、企業価値の観点から語れる「ファイナンス・リテラシー」、そしてデータを武器にする「データ・リテラシー」。この3つを兼ね備え、経営層と同じ視座で議論を戦わせた経験は、将来どのような部署へ行っても通用する最強の武器になるはずです。

「今日のあたり前をささえ、明日のあたり前をリードする」

 この当社のパーパスを実現するためには、チャレンジングな取り組みではありますが、私たち自身が最も激しく変わり続ける必要があります。FP&Aという新しいエンジンを回し、PBR1倍割れを克服したことにとどまらず、ENEOSの企業価値を再創造していく決意です。

池側:本日は貴重なお話をありがとうございました。

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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