2026年1月21日、ローランド・ベルガーはダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)において、新たに開発した「欧州成長基盤指数(Europe readiness index)」を発表した。同指数は、欧州連合、ノルウェー、スイス、イギリスを対象に、直近20年間の競争力の動向および今後の展望を分析するものである。
この指数は、「人材資本」「持続可能性」「デジタル化・イノベーション」「レジリエンス」「インフラ」「機関」の6つのサブ指数と、RB/Fraunhofer Innovation Indicatorを含む計25の指標に基づき、欧州地域の潜在的競争力を評価している。長年、欧州は制度的障壁や規制の複雑さ、高コスト体質などが競争力の押し下げ要因となっていた。しかし、今回の調査結果によると、「機関」を除く5つのサブ指数が数年ぶりに過去20年平均を上回り、欧州競争力は回復傾向にあるという。
このような好転の背景として、特に人材、持続可能性、デジタル化、レジリエンス、インフラの分野での指標が大きく改善したことが指摘されている。ローランド・ベルガーは、欧州の競争力をさらに高めるためには「制度の簡素化」「イノベーション社会実装の迅速化」「資本市場の一体化」「AI活用へ向けた産業データ整備」が重要なアクションであると提言している。
日本企業にとっては、従来欧州事業は不透明感や外部環境の逆風が強かったものの、今回の指数が示す改善傾向は、欧州での収益性向上や成長性再考のきっかけとなる。競争力の高まりを捉え、現地の構造改革や市場変化への対応を強化することで、新たな事業機会や成長分野の早期取り込みが期待できる。
今後、日本企業の経営企画部門や新規事業担当者は、本指数や各種サブ指数を参考に、各国の規制動向やイノベーション状況、資本環境などの変化を的確に分析することが重要となる。欧州事業の収益モデルや戦略の見直しにも資するデータとして、本指数は有用である。詳細な内容はローランド・ベルガーの公式サイトで英文レポートが公開されている。
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