2026年2月26日、ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、世界16市場・9業界で売上1億ドル超の企業経営層2,360人を対象としたAI投資に関する国際調査レポート「As AI Investments Surge, CEOs Take the Lead」を公表した。調査は2024年に開始され、今回で3回目の実施となる。
同調査によると、2026年に企業のAI投資額は売上高の約1.7%に達し、2024年比で倍増する見通しである。業界別では、テクノロジー企業や金融機関のAI投資が売上高比2%、産業財や不動産業界では0.8%にとどまるなど、ばらつきが見られた。
特に注目されるのは、2026年のAI投資のうち平均30%以上が自律的に業務を遂行するAIエージェントに充てられる見込みである点だ。90%のCEOが「AIエージェントは2026年に定量的な成果を生む」と回答している。加えて、94%の企業が2026年中に明確な成果が得られなくてもAI投資を現在以上の水準で継続する意向を示している。
AI投資の意思決定についてはCEO主導が進んでおり、72%のCEOが「AIに関する主要な意思決定者は自分自身」と回答した。日本においてこの割合は88%と高く、また70%の日本のCEOが「AI戦略の成否が自らの評価や立場に影響する」と考えていることが明らかとなった。
CEOのAIに対する姿勢については、慎重型(約15%)、実利重視型(約70%)、先駆型(約15%)の3つに分類された。日本では先駆型の割合は10%にとどまり、慎重型が相対的に多い傾向だった。一方、先駆型のCEOはAI投資の半分以上をAIエージェントへ投じ、業務プロセス全体にAIを導入する可能性が慎重型の2倍という結果も示された。
BCGによれば、2025年よりもAI投資のROI(投資対効果)見通しが明るいと位置付けているCEOは5人に4人に及ぶ。日本における生成AI分野のリーダーである中川正洋氏は、「日本企業ではAIが重要な経営テーマだけでなく、CEO自身の命運を左右するテーマとして認識されている」とコメントしている。また、短期的成果の有無に関わらず投資継続に強いコミットメントが見られるとも述べた。
BCGは、真の競争優位性獲得には、CEOがトップダウンで戦略やオペレーション改革を進め、機能全体を再設計して新たな製品・サービスの創出にまでつなげることが重要だとしている。今後、AIエージェントの導入拡大が企業変革のカギとなる見通しだ。
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