事業開発の「打席」を増やす! イノベーターに不可欠な経験と知識
前ページで紹介した「志向」と「資質」に加えて、イノベーター人材の要件としては他に以下のような能力や経験が求められます。
新規事業開発の経験
これは、実際に新規事業開発に取り組んだ経験があるかどうかです。新規事業開発のプロセスは既存事業とは大きく異なり、これまで既存事業で積み上げてきた経験や知識やノウハウ、行動習慣などが活用できないことも多いのです。むしろ、それらを一度忘れて捨て去る(unlearning)必要すらあります。
また、その経験の希少性と不確実性の高さゆえに、理論よりも実践が重要な領域でもあります。つまり新規事業には「習うより慣れろ」の考え方がより強く求められるのです。
ちなみに、新規事業開発に初めて取り組む人よりも、2回目以降の人のほうが、新規事業の成功確率が高くなるという研究結果もあります。スタートアップ界隈では、起業経験のある人材は成否に関わらず重宝され、投資が集まりやすく、成功確率が高いとされている側面もあります。事業開発も同様に、経験を積めば積むほど必ず後天的に鍛えられる部分が多く、必ずしもセンスや才能だけの世界ではありません。
むしろ、日本企業全体として事業開発の打席に立つ機会が少なすぎることが問題であり、また経験がない人材にいきなり大きな成果を求めすぎてしまうのも無理があります。野球で例えるならば、一度も草野球ですら打席に立ったことがない人材に、いきなりメジャーリーグの試合に出てホームランを打って来いと要求するくらい無茶な話です。
そのため、まずは候補人材にとにかく事業開発の打席に立つ機会を民主化することが重要です。
新規事業における共通スキル/知識
新規事業開発の経験を通じて、どのような新規事業に取り組む際にも共通して必要になる知識やスキルが身についているかどうかという要件です。既存事業とは異なる新規事業開発プロセスの全体理解や発想力、事業戦略立案・事業企画スキル、仮説思考力、ビジネスモデル構築スキル、事業プランや事業計画の策定スキル、チームビルディングやプロジェクトマネジメントなどが該当します。
