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日本版FP&A×HRBPの真髄──戦略を「組織能力」へと翻訳し、事業を勝利へ導くパートナーへの進化

ゲスト:株式会社インヴィニオ 土井哲氏、ストラットコンサルティング 池側千絵氏

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「日本版HRBP」が対峙すべき4つのギャップと問題解決

栗原:事業リーダーからの相談に対し、HRBPはどう向き合うべきでしょうか。

土井:私はリーダーが直面する状況を「4つのギャップ」として整理しています。

  1. 顕在化している問題:最低限満たすべきレベルに達していない状態。
  2. 潜在的な問題:今は大丈夫だが、放置すると将来危機に陥るリスク。
  3. 現在の課題:理想の状態に向けて能動的にチャレンジすべきこと。
  4. 戦略課題:将来のより良い状態(競争優位性)を目指して今からすべきこと。
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資料提供:株式会社インヴィニオ/クリックすると拡大します

 多くのリーダーは「1」の火消しに忙殺されています。HRBPの介在価値は、それを解決するだけでなく、将来の「4」へと視点を引き上げること、あるいは「2」に対して予防線を張ることにあります。単なる「不満の聞き役」に終始しては価値が出せません。

因果関係図で「悪魔のサイクル」を断ち切る

池側:事業部の現場の問題が複雑な場合、どう解きほぐすべきでしょうか。

土井:事象の背後にある構造を「因果関係図」として可視化することです。たとえば品質問題が発生している場合、単に担当者の不注意とするのではなく、「多角的なチェックが働かない」「マンパワー不足」「赤字製品をやめられない」といった要素の連鎖を描きます。

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 図にしてみると、往々にして「悪魔のサイクル(循環)」が見つかります。HRBPが一言で「この問題の本質は〇〇である」と指摘し、そのサイクルを断ち切るための「処方箋」を提示できれば、信頼は一気に高まります。

スキルよりも重要な「ヒューマンコア」への理解

池側:最近は「スキルベース組織」も流行っていますが、土井さんは「スキルだけでは不十分だ」と強調されていますね。

土井:はい。私は「人の行動の氷山モデル」を重視しています。成果を生むのは「行動」ですが、水面下には表層的な「スキル・知識」だけでなく、目に見えない「経験」「価値観」、そして最も深い部分に「性格特性・動機(ヒューマンコア)」があります。

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 価値観やヒューマンコアは20歳前後までに固まっており、研修で変えるのは非常に難しい。戦略を実行するための「新しい活動」ができる人材を確保する際、スキルだけで選ぶと失敗します。その活動を「やりたい」と思う動機や、変化を厭わない特性を持っているかというアラインメントこそが、HRBPが注力すべきポイントです。これは究極的には「採用」の議論に行き着く、極めて重要なポイントです。

組織デザインの「正しい順番」が文化を創る

池側:戦略・組織・人を整合させる(アラインメント)ための具体的なステップを教えてください。

土井:組織デザインには正しい順番があります。AlignOrg社のモデル「CUBE」では、以下の順で設計を進めます。

  1. 業務プロセス:カスタマージャーニーに沿って、必要な活動を定義する。
  2. 構造とガバナンス:そのプロセスを回すのに最適なチーム構成と権限を決める。
  3. 情報と測定基準:適切な判断をするためのKPIを設定する。
  4. 人材と報酬:必要なコンピテンシーを定義し、採用・育成・評価を行う。

 この順序を守ることで、リーダーとメンバーの「日々の行動」が変わり、結果として「新しい組織文化」が形成されます。文化を先に変えようとするのではなく、戦略に基づいた「正しい活動」をデザインし、それをやり抜くことが、日本企業が再び勝つための唯一の道だと確信しています。

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「3%の努力」が利益を2倍に変える──HRBPが持つべき計数感覚

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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