2026年6月30日、LayerXは「企業のAIコスト管理に関する実態調査 2026」の結果を発表した。調査は、AI利用コストを管理・把握する立場の企業担当者400名を対象にインターネットで実施された。調査結果からは、AIエージェントの普及による企業のAI利用コスト増加と、その経営上の課題化、そしてROI(投資対効果)を踏まえたコスト管理の必要性が浮き彫りとなった。

調査によれば、「すでに経営課題」が19.0%、「1年以内に経営課題になる」が54.3%となり、合計73.3%の企業がAI利用コストを直近の経営課題として認識している。また、前年と比べてAI利用コストが「大幅に増加している」「やや増加している」と回答した割合は合わせて66.5%にのぼり、AIエージェント利用が要因となっているとの実感が多く見られた。
企業全体での月間AI利用コストは平均約274万円に達し、64.8%は「50万円以上」が発生している。特にAIエージェントの利用増加がコスト拡大を牽引している。
一方、82.8%の企業でAI利用コストの「把握」に課題を抱えているという。主な課題は「セキュリティ・情報漏えいリスクへの懸念」(30.5%)が最も多く、「従業員による個人立替等の実態把握」(25.1%)、「請求額と利用内訳が結びつかない」(24.2%)が続く。これらの背景には、“誰が・何に・どれだけ使ったか”という利用状況の不透明さが指摘されている。
現状でAI利用コストを把握できているのは「部署・チーム別の利用額」(32.7%)など組織単位にとどまる傾向がある。今後新たに整備したい管理項目としては、「AI利用額と成果・ROIを紐づけたデータ」(21.8%)のニーズが最も高まっており、AI活用の成果可視化とコスト管理を両立させたい意向がみられる。
LayerXでは、AI利用コスト管理について、単なる支出抑制だけでなく、企業が投資の妥当性を見極める観点からも重要と指摘している。企業のAI活用は「まず使う段階」から、「管理し、改善する段階」へ移行しつつあり、コスト・用途・成果を可視化することで、より効果的な投資判断の実現が求められるようになった。
今後、AI利用コストは人件費や広告費と同様に投資対効果を念頭に置いて経営資源として管理する流れへと進みそうだ。利用状況や成果を継続的に可視化できれば、効果の高い分野への重点投資と、不要な支出の見直しも容易になるとしている。
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