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経営企画サバイバルガイド

財布をガッチャンコしてチャラにする「連結会計」の5ステップ──グループ経営管理で陥る「正論の罠」とは

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 企業の中枢に位置しながらも、実態が見えにくい謎の部署──経営企画部門は他部署の担当者からそう思われているのではないでしょうか。経営企画部門に所属する当事者の中にも、真の役割を理解できている人はそれほど多くありません。本連載では、大企業の経営企画部門で経験を積み、現在はディグルでバックオフィスを統括する冨田貴大氏が、実務に役立つ経営企画の基本を解説。第六回では、グループ経営を行う企業の経営企画に欠かせない「連結」の考え方を、現場のリアルなお悩みとともに紐解きます。

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「数字だけ取り立てていくな」——子会社の反発が教えてくれること

 本連載では、これまで1社単体で運営している企業の経営管理をテーマに扱ってきました。今回はそこから一歩進み、複数の企業で構成される“グループ”の経営管理を取り上げます。

 ……と、教科書的に始めるのは簡単ですが、実はグループ管理は経営企画にとって最も胃が痛くなるテーマの一つです。単体会社とは異なる特有の会計処理(連結決算など)を行うため、管理会計側もこの仕組みを正しく理解していなければなりません。

 グループの管理に直接携わっていない読者は、「グループの会計処理といっても、各社の業績をシンプルに合算するだけでしょ?」と思うかもしれません。しかし実際には、単純な足し算で済む話ではありません。なぜなら、そこには「別々の会社で働く人間同士の利害関係や感情」が渦巻いているからです。

 こういったものを無視して数字の正論だけを突きつけた結果、子会社の役員から「本社の人間に現場の何がわかる! 数字だけ取り立てていくな!」と大猛反発を食らい、会議室を凍りつかせた、というようなエピソードを幾度か聞いたことがあります。

 すでにグループ経営企画として働いている読者の中にも、複雑な会計処理や子会社とのコミュニケーションに辟易し、「そもそもなぜここまで面倒なことをしなければならないのか?」と感じたことがある方は多いはずです。まずは、その「面倒」の裏にある基本構造から整理していきましょう。

親子の関係で覚える「子会社」と「関連会社」の違い

 そもそも、企業グループとは何でしょうか。様々な定義がありますが、本記事では「親会社の支配、または重要な影響下にある企業群」とします。そしてグループを構成する企業は、親会社の関与度合い(株式の保有比率など)によって、主に「子会社」や「関連会社」に分けられます。

 これは人間関係にたとえるなら、「同じ家族として生活をともにしている子ども(子会社)」と、「別世帯だが、進路や大きな決断については互いに相談する親族(関連会社)」の違いに近いでしょう。

分類 関係性の目安 グループ全体への業績反映方法
子会社→(同居の子) 親会社が実質的に支配している→(目安:議決権の50%以上を保有) 連結決算→(グループ全体を一体として丸ごと取り込む)
関連会社→(独立した親戚) 親会社が重要な影響力を持つが支配はしていない→(目安:議決権の20%以上を保有) 持分法→(保有比率に応じて利益の一部だけを反映)

 親会社と子会社は、実質的に一つの組織として事業を運営しているため、それぞれを別会社として見るのではなく、グループ全体を一体として業績を把握する必要があります。そのため、上場企業を中心に、多くの企業グループでは連結決算が作成されます。

 一方、関連会社には「持分法」が適用されます。持分法とは、ざっくり言えば「関連会社が稼いだ利益のうち、自社の持ち分(20%など)だけを、グループの連結業績に1行でポロッと反映する会計処理」です。子会社のように親会社が支配しているわけではないため、連結ほど広範で複雑な処理は行いません。

 以降、経営企画の実務で最も揉めやすく、かつ重要な「連結決算」の仕組みについて具体的に見ていきます。

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この記事の著者

冨田 貴大(トミダ タカヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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