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経営企画の注目イシュー

住友化学やBCG出身の植西氏が語るAI時代の経営企画 組織を動かす「納得解」を作るオーケストレーター

ゲスト:株式会社コンダクト/コンダクトグループ 代表取締役 植西祐介氏

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 企業の「経営企画」や「経営管理」は、事業開発や営業のように定型化された枠組みが分かりにくく、組織によってその役割も千差万別である。特に近年、多くのSaaSツールの乱立による情報の散在や、AIの急速な進化によって、これまでのコーポレート部門のあり方は大きな転換期を迎えている。これからの大企業における経営企画の役割とは何なのか。そして、AI時代において真に価値を発揮するバックオフィス組織、リーダーシップの姿とは。住友化学での経営企画を原点に、監査法人、ボストン・コンサルティング・グループ、スタートアップCFOを経て、現在は数多くの企業のバックオフィス支援・AI導入を行う植西祐介氏に、Biz/Zine編集部コンテンツプロデューサーの栗原茂が迫った。

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日本の経営企画の原点、欧米型組織との歴史的背景の違い

Biz/Zine編集部・栗原(以下、栗原):植西さんは大手化学メーカーの住友化学でキャリアをスタートされ、公認会計士の資格を取得。その後監査法人やコンサルティングファーム、スタートアップCFOなど、非常に幅広い視点からコーポレート部門を見てこられました。まず、日本特有とも言われる「経営企画」の役割について、欧米型の組織との違いを含めて教えてください。

植西祐介氏(以下、植西):欧米の組織で日本の経営企画に最も近いのは「FP&A(Financial Planning&Analysis:財務計画・分析)」という職種です。しかし、決定的な違いはその「成り立ち」にあります。欧米のFP&AはCFO(最高財務責任者)組織の下で、数値面を中心に中長期経営計画の策定や各投資意思決定のサポートを行い、数字をもとに事業を徹底的にコントロールする強い権限を持っています。

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図版出典:植西祐介・著『この1冊ですべてわかる 経営企画の基本』(日本実業出版社)を参照し、編集部で作図/クリックすると拡大します

 一方で、日本の経営企画の歴史を紐解くと、戦後のGHQによる財閥解体などの時期(1950年代頃)に、当時の通商産業省(現在の経済産業省)が「管理会計答申」として欧米型の「コントローラー制度(財務機能を統制部門と実行部門に分離する仕組み)」を浸透させようとしたものの、日本の土壌にはうまく馴染みませんでした。

 元々日本企業には、役員会や「常務会」の事務局・秘書として、役員たちの手の届かない痒いところをサポートする「なんでも屋」が存在しており、これが現在の経営企画部の前身となっています。そのため、数値的なコントロールだけでなく、定性的かつ広範な社内調整を行う黒子としての性格が強くなったのです。

栗原:日本では、現場主義や「事業部制」が強いカルチャーも影響しているのでしょうか。

植西:おっしゃるとおりです。欧米ではCFOがCEOに次ぐナンバーツーとして強力な統治権を持ちますが、日本企業では長らく「財務部長」「経理部長」という位置づけに留まり、数字から事業をドライブ・コントロールできる権限が弱い傾向にありました。

 その代わりに、事業部ごとに独立採算制を導入する現場主義のカルチャーが浸透したため、事業部側が強い権限(プロフィット・センター)を持つようになりました。大企業の経営企画は、事業部の詳細管理までは踏み込まず、情報収集機能や全社レベルの調整役に徹するという独特の進化を遂げたのです。

経営企画の業務をマッピングする「4象限のフレームワーク」

栗原:経営企画が担う業務は「戦略立案」「経営管理」「組織施策」など多岐にわたりますが、企業によって役割が大きく異なるのはなぜでしょうか。

植西:経営企画の本質は「会社と経営者の写し鏡」だからです。一言で経営企画と言っても、その役割は「攻め/守り」という志向の軸と、「プロジェクト単位(限定的)/会社全体」というカバー領域の軸の4象限で分類できます。

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膨大な「数字のバージョン管理」と「差異分析」という経営管理のリアル

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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