商品の良し悪しを決めるのは「社長」ではない―消費者が決める企業の未来
日本企業が向かうべき未来。それは「消費者」あるいは「マーケットの視点」にある。2015年という年は、外国人観光客の増大に伴ってサービス収支が黒字に転じた。だが、訪れた観光客1300万人を世界的に見ると、香港、サウジアラビア、韓国などの後を追いかけて22位だ。観光大国と自負できるほどの規模ではない。
日本には京都・奈良、北海道、九州、四国などのエリアや、日光東照宮、東京ディズニーランドの観光スポットがあります。しかし、観光立国としてのレベルがまだまだ高くない。沢山いいものをもっていても、観光客が来ない、顧客が買わないのには訳があります。その商品やサービスがマーケットニーズに合っていないからです。
例えば、沖縄に訪れる中国人観光客に最も人気なお土産は、「ちんすこう」などの名産品ではなく「夕張メロン」だそうだ。「夕張メロン」は沖縄と縁もゆかりもない。けれど、桐箱に入ったメロンは贈り物として喜ばれる。日本を訪れる観光客にとっては、夕張メロンが北海道のものであることは、どうでもいいことなのです。