A.T. カーニーは、論考『管理の届かないIT支出が利益率を圧迫する』を公開した。同社が支援した複数の企業事例では、各部門のSaaS、経費処理されるAIサブスクリプション、分散したクラウド利用などを合算した実際のテクノロジー支出が、公式のIT予算を15~30%上回っていた。論考は、IT予算中心の従来の管理体制では実支出の全体像を把握しきれなくなっていると指摘し、支出を可視化・統制するための6つの施策を提示している。

論考によると、企業のテクノロジー支出は売上高の3~5倍のペースで伸びている。管理を難しくする要因として、SaaSへの移行、従量課金の拡大、アプリケーション管理のIT部門外への移行、生成AIの普及による新たな支出経路の拡大という4つの構造変化を挙げる。2025年にはITリーダーの66.5%が、従量課金またはAI関連料金の利用増により予想外の請求を経験した。

6つの施策は、①テクノロジー支出の一元的な把握、②従量課金・AI料金に対応した調達の見直し、③AI施策の段階的な審査とポートフォリオ管理、④シャドーAI(従業員が会社の承認を得ずにAIを利用すること)の正式な管理体制への組み込み、⑤既存システムの運用予算の圧縮によるAI投資原資の確保、⑥取締役会によるIT支出の四半期ごとの継続的なモニタリングである。1~2回の予算編成サイクル内に効果を確認できる取り組みとしている。
また、2026年の大手クラウド事業者の設備投資の約75%がAI関連と見込まれ、2027~2028年に企業の利用料金を通じて回収されるため、2026年中に管理の空白を埋めることが重要だとした。
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