SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

Biz/Zineニュース

【A.T. カーニー論考】ERPプロジェクト成功へ「第4の柱」―独立アドバイザー導入を提言 

  • Facebook
  • X

 2026年7月28日、A.T. カーニーは、ERP(統合基幹業務システム)導入プロジェクトのガバナンスに関する論考「ERP変革を成功に導く『第4の柱』―独立・中立のアドバイザー」を公開した。本稿で引用された業界調査では、ERP導入プロジェクトの55~75%が期待した成果に届かず、コスト超過や遅延、業務混乱などの問題に直面しているとされた。

 A.T. カーニーは主要な失敗要因として、計画不足、経営層の支援不足、意思決定の遅さ、不十分なテスト、技術課題、ユーザー定着不足を挙げている。特に、従来のクライアント企業・システムインテグレーター(SI)・ソフトウェアベンダーの三者体制だけでは、経営・事業上の戦略と技術的実装をつなぐ監督機能が不十分であることが成果を阻む一因になっていると指摘している。

 この状況を踏まえ、A.T. カーニーは、従来の三者体制に加えて、特定の導入契約や製品に左右されない「独立・中立の客観的アドバイザー」を「第4の柱」として組み込むことを提言する。このアドバイザーは経営層と共同で全社目標を意識した設計・実装判断を行い、SIやベンダーに偏らない視点からプロジェクトを横断的に監督する役割を担う。プログラム推進においては、作業の完了数ではなく、実現した事業効果を評価指標とする管理体制が推奨されている。

 独立アドバイザーは、経営陣やステアリングコミッティに報告し、併せて業務プロセスやデータ標準化、ビジネスケースの更新、統合PMOによるガバナンス、効果追跡のダッシュボードの維持など、プロジェクト全体の健全性確保を担う。また、品質ゲートやリスク可視化、レッドチーム・レビューといった手法を用い、ベンダー依存や計画遂行上の問題点を早期に発見・是正する。

 さらに、導入初期から組織全体への定着やコミュニケーション、研修、組織文化変革を主導し、営業費用(OPEX)・設備投資(CAPEX)・サステナビリティまでを、定量的に追跡する必要があると指摘している。役割の重複や判断遅延などの課題には、初期段階で実行責任や報告ラインを明確にするRACI設計や、判断に期限を定める戦略チェックポイントの設置で対応が可能とした。

 デジタル技術やAIの進展、S/4HANA移行などの変革期にあたって、ERP導入を単なるIT刷新やシステム更新ではなく、持続的に戦略的価値を生む事業変革と再定義することの重要性が強調されている。A.T. カーニーは、独立アドバイザーの役割を導入初期から計画・予算化することが、長期的な価値の創出に不可欠であると結論付けた。

【関連記事】
A.T. カーニー、AI需要予測の効果と事例を論考で発表
A.T.カーニー、地政学を経営戦略へ統合するための経営体制に関する論考を発表 
インド化学品サプライチェーン、3潮流でレジリエンス強化へ──A.T.カーニーが論考

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
関連リンク
この記事の著者

Biz/Zine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X

Special Contents

PR

Job Board

PR

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング