クリエイティブAIが始まった。 ~作曲、ヒットチューン解析、星新一風ショートショートまで

 昨今、人工知能という言葉がさまざまな分野で聞かれるようになった。実際人工知能技術の発展はめざましいものがある。我々の普段の生活に、ビジネスに、今後は切っても切り離せない存在になるだろう。
 そんな人工知能がクリエイターのように作品を作りあげる創造性を持とうとしている。これまで、創造性は人間しか持ち得ないと思われていたものである。そのような領域にも人工知能が入り込んでくる可能性を示唆している。今後機械はどのような創造性を勝ち得て、我々はそのような人工知能とどのように付き合っていくことになるのか、探ることとする。

[公開日]

[著] 中西 崇文

[タグ] AI・機械学習 ロボット データテクノロジー テクノロジー

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「ジュークデック」と「エミー」は作曲する人工知能

 2015年12月7日、「ジュークデック」(Jukedeck:https://www.jukedeck.com/)というオンラインサービスが公開された。これは、作曲をする人工知能だ。フォーク、ロック、エレクトロニック、アンビエントの中からジャンルを選び、ジャンルに基づいた曲調を選び、曲の長さを入力するだけで、楽曲が生成される。指定できるオプションが少ないということが欠点かもしれない。しかしながら、特筆するべきは、このような作曲をする人工知能を気軽にWebブラウザから利用でき、かつその作品を自由にかつ簡単に展開できることだ。

 作曲する人工知能は、進化し続けている。例えば「エミー」(Emmy)という作曲家がいる。実はカリフォルニア大学の名誉教授であるデビットコープ氏の開発したソフトウエアである。大量の楽曲を学習し、その与えられた楽曲群のスタイルを踏襲した楽曲を新たに素早く作曲できるのだ。デビットコープ氏は本職が作曲家であるため、エミーにオペラ曲を作曲させて、自分の名前でコンサートを開催したところ、聴衆、新聞に絶賛されたというエピソード付きだ。

Emmyの作品(Amazon)

「ワードスミス」はライティングする人工知能

 人工知能が創造するのは音楽だけでない。執筆業も担いそうだ。AP通信は企業の決算報告の記事について、2014年より、人工知能を導入して自動生成している。この記事自動生成の人工知能はノースカロライナ州ダラム市に拠点を置くオートメーテッド・インサイツ社の「ワードスミス」(https://automatedinsights.com/ap/)である。ワードスミスは、必要なデータを与えるだけで自動的に文章にしてくれるソフトウエアだ。ワードスミスは、エクセルでもなんでも数字の羅列だけのデータに対して、分析を行い、人が読める文章を自動的に生成する。もし人工知能の書いた記事を読みたい場合は、最後に記者名ではなく、「story was automatically generated by Automated Insights」と書かれている記事を探すとよいだろう。

 2015年12月30日、読売新聞に掲載されたショートショートが話題になった(http://togetter.com/li/919201)。はこだて未来大学の人工知能が執筆したものだ。星新一のショートショート1000編を学習し、そのスタイルを踏襲したショートショートを執筆できるのだ。

バックナンバー