組織内の「ハブ人材」と「シリアル・イノベーター」
組織内にいるハブ人材というのは、どんな人なんでしょうね。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校で、大企業の中で連続してイノベーションを起こしている人を研究対象にした『シリアル・イノベーター』という本が出ているんですが、すごく興味深かったですね。
イノベーションといえば、シリコンバレーなどのベンチャー企業とその起業家を想像しがちですが、その中に登場するのはP&Gをはじめヒューレット・パッカード、キャタピラーなどの大企業の社員。組織人として企業に所属しながらイノベーションを起こしているんですが、その人々の要件は、縦横斜めに繋がって、見返り無しにGiveをしながら、信頼を積み重ね、積み重ねた人脈を活用してイノベーションを実現するような人が大企業における起業家人材だというのです。前回までにも議論になった、まさに「ハブ人材」なのですよね。
入山:
日本のイノベーションを牽引するのは、本来はそういう人なのでしょう。坂本龍馬も脱藩はしたけれど、結局は組織の肩書を持てたから活躍できたとも言われているし(笑)。組織にあって、加えて「自由に動いてよし」という免罪符を得られるとパフォーマンスが上がるのかも。