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ホラクラシーを「株式会社」で実践することの課題、人材を惹きつける未来の組織と働き方

ダイヤモンドメディア 武井浩三氏 × Lean Startup Japan 和波俊久氏 対談第3回

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本来、株式会社とホラクラシーは相容れないもの?

和波:
 大切なのは、「何のために、ここまで常識外の経営の仕方をするのか」ということです。私が思うに武井さんは、株式会社という仕組上、「労働力を提供している人よりも、会社を所有している株主の方が大きな利益を得る」という矛盾を解決しようとしているんじゃないですか?

武井:
 そうですね。そもそも株式会社である必要があるのかという議論は何度も出ていて、LLCやNPOなど、選択肢はたくさんあるんですよね。でも最初に株式会社として始まっているので、まずはそのままで所有と経営と労働を一体化させられないかと考えました。
 分業によってダイナミズムが働くので、株主と経営者と労働者とが分かれていること自体は悪いことではないと思うんです。ただ、それぞれが権利を主張しあって対立することで、結果として全体の利益が下がってしまうという悪循環を解決したいと考えました。
 みんなで株を持ったらいいんじゃないかとか、労働と経営って何が違うんだろうとか、いろいろ試行錯誤して分かったのは、うちくらいの規模であれば経営者といっても労働していて、経営と労働というのはほとんど一体化できるんですよ。でも、所有というところが難しいんですね。先輩経営者の中には社員みんなで株を持ちあってみたけれど失敗したという人もいて、その理由が「社員は辞めることができる」ので、そうすると外部の人が株を持っている状態になってしまう。それでもう一度株を回収しなおしたりしてすごいコストがかかってしまったと。
 考えてみると、みんなは別に資産としての株が欲しいわけじゃないんですよね。経営に口を出すことができる権利が欲しいんです。いざとなれば全部決められるような権利を株主が持っているという事自体が偏っているので、そこを何とかできれば、みんなが株を保つ必要はないと気づきました。

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