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「COMPANY Forum 2016」レポート (AD)

レイ・カーツワイルが語る、指数関数的な「思考」とシンギュラリティの「課題」

ワークスアプリケーションズ主催「COMPANY Forum 2016」牧野正幸氏 × レイ・カーツワイル氏 講演レポート

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レイ・カーツワイル氏に聞く、「GNR革命」「シンギュラリティの課題」「シンギュラリティユニバーシティ」

 改めて牧野氏が登壇し、カーツワイル氏への質疑応答が行われた。その一部を紹介する。

タイトル

Q.人工知能のERPへの活用について

 人工知能の活用は ERP ではあまり進んでいないため、ワークスアプリケーションズのHUEは画期的だと感じている。人間の知能とAIの知能を組み合わせるという意味で大いに価値がある。

Q.シンギュラリティの時期について

 予想より早まってみえるが、予定通りだと思う。1981年には2050年という予測をしていたが、2016年現在ではほぼ一致している。実際、アルファ碁や自動運転、コンピュータが画像認識を人間よりも上手くやるようになったことなど、多くのエビデンスが出てきている。2029年にコンピュータと人間が並び、2030年にはコンピュータが人間を追い抜く。そして、人間より優れたコンピュータが人間に対し素晴らしい世界を提供してくれるだろう。

Q. 遺伝学(G)、ナノテクノロジー(N)、ロボット工学(R)という、GNR革命の重要性について

 3つの革命が起こり、それが人間に大きな影響を与えるのは間違いない。

  1. 遺伝子の取り組み
     バイオテクノロジーの改革として、遺伝子のアップデートや欠損部分の補修、または、3Dプリンタでつくった内蔵を移植することも起きてくるだろう。
  2. ナノテクノロジー
     2030年までには免疫システムが改善されると予測している。免疫機能を持たせたデバイスを「ロボットのT細胞」として体内に取り込ませることで、すべての疾病に打ち勝っていくことができる。それによって平均寿命が劇的に伸びるだろう。
  3. ロボット工学
     人工知能は、製品のリコメンドや自動運転など既に様々な分野で活用されている。2020年には人間の知能はすべて対応し、さらにスマートでさらに効率性の高い素晴らしいテクノロジーが台頭する。

Q.Google の研究範囲とそのゴールについて

 Googleは人工知能や機械学習の機能を「TensorFlow(テンサーフロー)」として公開し、研究結果を共有している。そして、他の会社と同様、製品をよりよくスマートなものにするために、たとえば「検索」や「翻訳」の精度を上げるなどのように、言語の意味を理解して情報を提供することを考えていく。私自身のミッションもそこに集約している。

Q.シンギュラリティまでの課題

 人工知能の機械学習については大量のサンプルを学習することがマストと考えられがち。しかし、学習のヒエラルキーをつくることで、より少ないサンプルから、より効率的に判断することができる。その学習の組み立てについてまだ試行錯誤を行っている。

Q.日本における人工知能技術の遅れについて

 どこがどう進んでいるから勝ち負けというゼロサムの話ではない。世界はつながっており、どの国のエンジニアでも開発したテクノロジーは世界全体がそのメリットを享受することができる。日本は長らく高等教育にも力を入れ、テクノロジーでも多数の貢献をしてきた。中国も近年になって力を入れ始めたが、その成功で日本が損になることはないはず。

Q.シンギュラリティユニバーシティについて

 8年前、指数関数的な思考についての学びの場が必要と考え、ピーター・ディアマンテス、ラリー・ページとともに設立した。人間が将来を考える時にはどうしても直線的になりがち。そこで指数関数的な考え方ができる人たちを育てるために、様々な分野・業界の人々を集め、サマープログラムも45カ国から80名が集まった。指数関数的な考え方に基づき、たとえば、マラリアの撲滅や貧困の解消など、10年で何十億人もの人々を救うための方法を考え、議論している。「学びの中で身につける」ことを大切にしている。

Q.シンギュラリティに対する危機感を持つ人が多い

 なぜか映画の中では、人工知能が敵となって戦う設定になることが多い。しかし、そもそも人工知能の数が全く違っており、その代表格であるスマートフォンによって人間は“スマート”になっている。つまり、高い建物を建築するクレーン車のように、人間が届かない部分を補う、人間の限界を超えるために、テクノロジーがある。人工知能も同様に、思考の領域が広がったり、体内に入ることで寿命が延びたり、より楽に会社を運営できるようになったりするわけだ。

 もちろん、テクノロジーを悪用する人がいる限り、ネガティブな面がないわけではない。テクノロジーの安全利用のためのガイドラインは必要であり、罰則なども整備する必要がある。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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