人間は「つながり」にイノベーションを起こしてきた
石川氏は、つながりの本質には幸福感をもたらす脳内物質のエンドルフィンが関わっており、その手法はいくつかのイノベーションを経ているという。順に並べれば、毛づくろい、笑い、歌と踊り、物語と宗教である。
原初的なつながりの作り方は、動物に見られる「毛づくろい」だ。ただ、毛づくろいは基本的に1対1でしか行えないため、量を増やせずに効率が悪い。そこで人間は、毛づくろいの代わりに「笑い」というイノベーションを起こした。ある研究によれば「一緒に笑い合えるのは3人が限界」だが、笑いを用いることで人間はよりつながりやすくなった。