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Zuora桑野社長が語る「サブスクリプション」というビジネスモデル

Zuora Japan社長 桑野氏インタビュー(前編)

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米国でサブスクリプション・ビジネスをクラウドで支援しているZuora社は、2015年9月1日に日本法人Zuora Japanを設立した。既にコマツ、東芝や弥生など、国内大手の事例を作りつつある同社の代表執行役社長である桑野順一郎氏に、今サブスクリプション・ビジネスが注目されている背景と、従来のプロダクト販売モデルとの違いについて伺った。

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サブスクリプションというビジネスモデル

Zuora 桑野社長
Zuora Japan株式会社 代表執行役社長 桑野 順一郎 氏

 「サブスクリプションモデル」(ストック型ビジネス)とは、契約期間内にサービスを提供し続けるモデルである。これに対して従来の典型的なビジネスモデルは「プロダクト販売モデル」(フロー型ビジネス)で、1回契約して商品を販売すると、請求も回収も1回生じ、売上計上も1回だ。それがサブスクリプションモデルだと、たとえば月額制の年契約であれば、1回の契約で請求と回収が毎月発生し、売上計上も同様となる。

 今から9年前の2007年に設立されたZuora社は、従来のプロダクト販売モデルからサブスクリプションモデルへのビジネスモデル変革と、そこにおける収益向上の支援を、クラウドプラットフォームを使って提供している会社だ。創業者でCEOのTien Tzuo氏はSalesforce.comの創業に関わってから9年間在籍し、他のメンバー2名と共にZuoraを起業した。

 Salesforceの急成長の中でTzuo氏たちは、二つの大きな経験をしている。一つはテクノロジーとしてのクラウドだ。もう一つはクラウドのサブスクリプションモデルの中で、収益化する仕組み、カルチャーなどがどうあるべきかを、色々と試行錯誤する中で学んだ。

 Tzuo氏たちはSalesforce在籍時代、「ビジネスモデルがプロダクト販売モデルからサブスクリプションに大きくシフトする時代がいつか来る」と考えた。だとするとクラウドの初期のように、同じ様な苦労をする会社が続出することになる。そこで、「Salesforceのノウハウを持って起業すれば、世の中の役に立つのではないか」ということで起ち上げた会社がZuoraだ。Zuoraのソリューションは現在、グローバルで800社以上が導入しており、未上場だが、非常に注目されているユニコーン企業だといえる。

 日本でAppleやNetFlixなどの音楽や動画の定額配信サービスが上陸し、国内でも同様のサービスが開始された2015年は「サブスクリプション元年」と語られた。そしてこの年の2月にZuora Japanの事務所を立ち上げ、9月に法人化。2016年の4月に日本語化をおこない、本格的な営業活動を展開している。

 日本法人社長の桑野順一郎氏は、「ここにきて欧米を中心に、“サブスクリプション・エコノミー”が加速してきている状況になってきています」と語る。それには二つ理由がある。一つは顧客視点で、ニーズが「所有」から「利用」にシフトしてきているということだ。もう一つは企業視点で、プロダクトモデルからの転換だ。この100年間の企業は「プロダクトを作って販売する」ことが収益モデルだった。しかし21世紀に入って、プロダクトを売るというモデルでは、成長し続けるのが難しい時代になってきた。2000年のフォーチュン500の半分以上の企業が、買収や統合などにより、すでに無くなっているという事実がそのことを物語っている。

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