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アレックス・オスターワルダー、来日セミナーレポート

ビジネスでは「外科医であり、建築家であり、科学者であれ」

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科学者のように実験するとは

科学者のように実験することができないと、リスクを増大させてしまいます。リスクを最大化してしまった会社の例を挙げましょう。

 ベタープレイスというスタートアップ企業は、自動車業界を変革しようと意気込んでいました。バッテリー交換ステーションを建設し、世界中に電気自動車を普及させようとしたのです。ビジョンは優れていて、ビジネスプランもしっかりしていました。

 ところが、ビジネスプランに挙げていたことを1つもテストしなかったのです!大胆なビジョンと大胆なビジネスモデルだけを頼りにしていた同社は、8億5000万ドルもの損失を出し、破産してしまいました。同社は、ビジネスプランは作成していました。ビジネスプランをお書きになったことのある人は多いと思いますが、イノベーティブなビジネスモデルを生み出すためには、ビジネスプランの作成ほど最悪なことはありません。

 アイデアに基づいてビジネスプランを書くよりも、とにかく顧客と一緒にビジネスモデルのテストをしてみてください。新しいアイデアをジャッジできるのは、上司でも投資家でもなく、お客様だけなのです。

 イノベーションには、リスクがつきものであり、失敗も伴います。ポイントは、失敗するなら、小さく失敗しようということです。IBMの初代社長、トーマス・J・ワトソン・シニアは「成功への道は、失敗率を2倍にすることだ」と言いました。つまり、小さな失敗を数多くすればよいのです。デザインとプロトタイプは顧客なしで考えたとしても、次にはそれを顧客と一緒にテストしてみることは絶対に必要です。ビジネスプランを書く代わりに、収益の流れ、価値提案、リソースなど、ビジネスモデルのすべての要素をテストしてください。これができなければ、イノベーションは起こせないのです。

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セミナーでの質疑応答セッションから

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