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「デマンドサイド」から考えるビジネスモデル

「Business Model Generation 2013」セミナーレポート第2回

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ビジネスモデル・キャンバスを活用し、イノベーションにつなげるために

 ここからは、ビジネスモデル・キャンバスの活用法を多くの組織や企業で指導してきたITアナリストの今津美樹氏とビジネスコンサルタントの小山龍介氏の対談で紹介された同キャンバスの使い方、キャンバスを使ったワークショップの効果的な進め方のヒントなどをまとめてレポートする。

今津美樹氏と小山龍介氏▲ 写真:(左から)今津美樹氏、小山龍介氏

●ビジネスモデル・キャンバスの書き方についてよくある質問

- ビジネスモデル・キャンバスはどうすれば正しく書けますか。

今津:よく言っているのは、キャンバスには正解がないということです。今よりベターなビジネスデザインを何か書くということなので、違うキャンバスがたくさんあってもいいわけなんです。今、最善と思われるキャンバスを何とか形にして、組織の中で、まずは共通言語として可視化していただくというのが重要です。

- できあがったビジネスモデル・キャンバスはどう評価すればよいですか。

小山:お客さんがそのサービスにいくら払うのか、何%のリテンションがあるのか、アプローチした人の何パーセントが購入するのかなど、数字は絶対にウソをつけないので、最終的にビジネスモデルを評価するときには、『コスト構造』、『収入の流れ』ブロックの数字を具体的に書いて、そのビジネスモデルがどれくらいの成長エンジンになりうるかをジャッジする。やはり、最後は数字に落とすというのが一番いいと思います。

今津:ただ、そこでちょっと留意していただきたいことがあります。最近は、ビジネス戦略は計画ではなくて、デザインの時代と言われています。やはり計画や調査に長く時間をかけていると、その間に市場環境やパートナーとの関係がどんどん変わってしまうので、作ったプランが陳腐化してしまうということがよくあります。100%うまくいくと思わなくても、マーケットに合わせてトライアルアンドエラーをすることに臆病にならないでいただきたいですね。

- 重要性の高いブロックはどれですか。

今津:自分たちのお客さんは何を望んでいるか、自分たちのお客さんがどこにいるのか、ということをきちんと把握するために、キャンバスでは「顧客セグメント」から書き出すことをおすすめしています。そのあとで自分たちが提供できる価値に焦点を絞ると、活動が見えてくるのではないかと思います。

小山:特に重要に感じるのは、チャネルです。最近、オムニチャネルセンターという言葉をよく聞きますが、たとえばヨドバシカメラに行って店頭で商品を買わなくても、オンラインで買ってくれればいいということで店舗がショールーム化している。以前、小売はそれに反抗していたんですけれども、むしろそれを取り入れて、オンライン・オンラインの差をなくしていこうという流れがある。実は、多くのメーカーでも同様なんです。営業マンがやるべきこと、オンラインで処理できること、様々なチャネルの選択がもっと融合したほうがいいのではないでしょうか。

-「顧客との関係」ブロックが書きにくいのですが。

小山:お客との関係には、どれくらいの時間付き合うか、どれだけ深い付き合いをするか、この2つのファクターがあります。メーカーなどは、今までは製品を売って終わりという短い時間の浅い関係だったわけですが、これからはそれをできる限り、この会社がないとやっていけないといわれるような長く、深い関係をどう作っていくかが課題だと思います。そのための価値やチャネルの作り方を考える顧客との関係起点のイノベーションには、まだまだ可能性があるでしょう。

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ビジネスモデル・ジェネレーションを企業内で実践するために

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