リクルート、デジタルガレージの「スタートアップ支援」の特徴とは?
リクルートのリソース活用と多様な人材と出会える場がある「TECH LAB PAAK」
最初に登壇したのは、リクルートが運営するオープンイノベーションスペース「TECH LAB PAAK(テック・ラボ・パーク)」の所長を務める麻生要一氏。
TECH LAB PAAKは2014年に始動した、リクルートのテクノロジーをベースとした社会課題解決に取り組むオープン・イノベーション活動を支援する場だ。厳正な審査を通過すると、会員期間である6カ月間に限り、施設利用料はもちろん、Wi-Fi、全席完備の電源、ドリンク・スナックなど、すべてを無料で使用できる。
「オフィスとして使っていただきながら、その他にはメンタリングやネットワーキングなどリクルートからの支援が受けられます」と語る、麻生氏。スペースの開設から2年、これまで8期までプログラムを運営し、合計200チームを輩出してきたという。
また、麻生氏はスタートアップに限らず、研究者、NPO法人などをサポートしている点がTECH LAB PAAKの最大の特徴と語る。
似たようなメンバーでチームをつくることも悪いとは思いませんが、普段、出会うことのない人たちと出会うことで事業がピボットしたり、思わぬチャンスが巡ってきたりする。そんな機会を提供していきたいと思っています。(麻生氏)
現在、ブロックチェーンとロボティクスを注力テーマに掲げ、TECH LAB PAAK第9期会員の募集を開始しているほか、自社内新規事業開発プログラム「Recruit Ventures」の仕組みを活用した、スタートアップ企業と協働した新規事業開発プログラム「MEET SPAAC」も2017年2月から開始しているという。
「7年、14期」という実績で、出資も行う「Open Network Lab」
続いて登壇したのは、「Open Network Lab」を運営するDGインキュベーション シニアインベスメントマネージャーの松田崇義氏。
Open Network Labは「世界に通用するプロダクトを作り上げるスタートアップの育成」を目的に、2010年4月にスタートしたスタートアップの支援活動。主にインキュベーション、イベント、コミュニティ形成の3つを軸に活動を行っている。
Open Network Labの目玉コンテンツといえば年に2回実施する、3カ月間の短期集中型インキュベーションプログラム「Seed Accelerator Program」だろう。スタートから7年、14期までプロダクラムを運営し、多くのスタートアップをしてきた。
松田氏は「実際に出資をして、イグジットまで支援していくのがSeed Accelerator Programの特徴」と語る。これまで75社を支援し、その4割が次の資金調達をするなど成長を遂げているそうだ。
14期まで運営したことで成功、失敗事例のノウハウがたくさん蓄積されている。そのノウハウを起業家に伝えることで失敗しないように支援することができますし、またインキュベーションスペースには海外の人が多く、自然にグローバルなコミュニティが形成できます。(松田氏)
Open Network Labは2017年4月から第15期の募集も開始する予定だという。