価値創出の源泉は顧客との関係性か。難しさも含め、自社独自のモデルを模索
4社の発表が終わり、モデレーターの延岡健太郎氏は「いずれも顧客など外部との関係性が新たな価値創出に関係している」と指摘し、「逆に顧客だけに難しいことがあるのではないか。また最も難しいところはどのようなところか」と質問した。シスメックスの井上氏は、「医療機関からの情報は患者の個人情報などセンシティブなものも多い。そこで、個人を特定できる情報は収集せず、精度管理や機器の動きだけの情報のみを活用し、安心してデータを提供してもらえるようなシステム・関係づくりを行った」と説明した。
ブリヂストンの荒木氏は、気をつけたいこととして次の2点をあげた。まず、すべてを任せてもらう「トータルパッケージプラン」の落とし穴として、「任せきりになってコミュニケーションが止まる可能性がある」と語り、「お客様にも考えていただく、課題を出してもらう、気づきをいただくことが大切」と語った。また、ノウハウにとらわれる可能性を指摘。「タイヤのローテションにはノウハウが必要だが、本来はローテションをしなくても良いタイヤになることが理想的。自分たちの強みを生かしつつ、大切なこと、新しい課題を見失わないようにしていきたい」と語った。