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クリステンセン「ジョブ理論」入門

人がモノを買うことは「雇う」ということ。「ミルクシェイク・ストーリー」からニーズの本質を知る

第2回

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「ニーズ」とは何か?

『ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』 クレイトン M クリステンセン 他
(2017年8月刊行予定ハーパーコリンズ  Amazonリンク

そもそも「ニーズ」とはあまり明確な定義がされていないまま使ってしまう言葉だ。したがって「ニーズがある」と言うときも曖昧になってしまう。実際に「ニーズ」と言うときの意味合いを分析すると、「顧客が商品に向ける関心や行為などの現象」と定義するのが適しているのではないだろうか。シンプルに言い換えれば、商品を買ったり買わなかったりという事実だ。なので、ニーズ調査を行うと商品Aに「関心がある」あるいは「欲しい」といったことや、その顧客の年収や居住地を調べることになる。これはこれで、客観的な事実として重視される。
だがミルクシェイクのストーリーで見たように、なぜそうなのか、というメカニズムはニーズを集めてもわからない。したがって、「ニーズのある商品を増産する」はできるが、「ニーズのある商品を開発する」はできないのだ。

ニーズとジョブの関係は、天気と天気図のようなものだととらえればいいだろう。その場その場での天気はピンポイントに把握することができるが、将来の天気を予測するには天気図の力が必要になる。

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この記事の著者

津田 真吾(ツダ シンゴ)

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