変革のための「4つのゾーン」
ムーア氏は企業経営を以下の4つの「ゾーン」に分割し、それぞれ独自の予算、マネジメントチーム、KPI、経営規範により運営することを提言している。これが「ゾーンマネジメント」である。
1.パフォーマンス・ゾーン:既存の製品を販売する事業がこのゾーンに属する。企業の収益エンジンであり、既にある慣性力を活用して事業を確実に遂行していくことこそが重要である
2.プロダクティビティ・ゾーン:いわゆるコスト・センターがこのゾーンに属する。合理化により企業の利益を確保することが重要となる。破壊的変化に対応するための経営資源を提供する役割も果たす。
3.インキュベーション・ゾーン:企業の次世代のビジネスを育成するゾーンである。単なる非公式の実験(スカンクワーク)ではなく、あたかも独立したスタートアップ企業のように各事業が運営されることが重要である。
4.トランスフォーメーション・ゾーン:破壊的変化に対応する次世代ビジネスをパフォーマンス・ゾーンに投入できるよう規模を拡大するためのゾーンである。インキュベーション・ゾーンから候補をただひとつ選択し、それにフォーカスすることが重要となる。