“共にパンを食べる”のがCompanyの語源──共感のもとに集い、エンパワーメントすることの重要性
谷本(GEジャパン株式会社 執行役員 人事部長):
最近いくつか見えてきたのは、自分で自分の働き方や仕事のテーマ、ジョブを選べるということが大事だということです。それと、パフォーマンス(成果・アウトカム)重視であること。要は、成果を出していればどこで仕事をしていてもいい、そういうマインドを育成ために、リモートワークOKにしたり、そのためのツールを紹介したり、そんなアプローチを取っています。
日比谷(一般社団法人at Will Work 理事 / Sansan株式会社 コネクタ、Eightエバンジェリスト / Sansan 名刺総研 所長 / 株式会社PR Table 社外取締役):
あくまで生産性を上げるとか、成果をよりコミットできるような環境を作るための手法を追求しているということですね。
小泉(株式会社メルカリ 社長 兼 COO):
インターネットの登場やツールの進化によって、個人へのエンパワーメントがどんどん進んでいますよね。日常の生活の中でも個人の発信力が強くなっているし、仕事の中でもエンパワーメントされることでモチベーションが上がるという構図になってきています。だから、企業や経営者側はどれだけ個人を信頼して自由にさせられるか、ルールだけあってもダメで、モチベーション設計が重要になってきているんだと思います。
谷本:
そうなんです。GEもルールはシンプルですよ。マニュアルのようなものはありません。
藤本(一般社団法人at Will Work 代表理事 / お金のデザイン シニア・コミュニケーションズマネージャー):
ルールをきっちり決めるよりも、余白があることでよりクリエイティブになっていく、もっと新しいことが生まれてくる、その可能性に期待されているということですよね。
谷本:
メルカリさんがいいなと思うのは、ミッションがはっきりしていて、それに共感・賛同した人が集まっているという点。それってまさに“カンパニー”だと思うんですよね。みんながなんのためにここに来ているのかが理解されフィットしているからエンパワーメントできるのであって、メルカリさんは、そこを大事にされているんじゃないでしょうか。大企業は、人数が多いので声を届けて心を一つにするのに時間と労力はかかります。
藤本:
ある程度ルールが必要になってくる?
谷本:
ただ、ルールでは人の心は動かされない。GEの中は、意外とシンプです。シンプルな戦略をストーリーで繰り返し伝えることで、30万人の普通の人たちが同じ方向を向いて、すごい力を発揮することを大事にしています。とはいえ、人数が多いと組織レイヤーはできがちで、官僚的になってしまうことも。そうならないように、リーダーと人事がカルチャーづくりを一生懸命やっているわけです。