「ビジネスモデルコンテスト」の弊害
スポーツ業界からヒントを得た和波氏はこうまとめる。
スポーツ界では指導者の底上げと、ユース世代の育成を重視しいているのに対し、起業界は一言で言うと、若い子たちや手を挙げた子たちを、ビジネスコンテストでふるい落として、『そんなアイディアだったら危ないからやめなさい』と大人がいい、子供の可能性をどんどん切り続け…という世界が繰り返されている。
和波氏自身ビジコンの審査員はこれまでもやってきた。ただ、「ビジコンは眠っている人材の発掘にはとても素晴らしいツールだが、『大学卒業後に就職したくないです』、『起業というのをやってみたいです』という子たちを育成するには優れたツールではない」と語る。そして、「別にリスクを負わないかたちの中で、僕はこういうことをやってみたいんだけどと宣言する子供たちが出てくる。ノーリスクだからやらせればいいし、何を学んで帰ってきたのかを僕らは知りたいが、ビジコンに出すと、残念ながら潰されていく。勿体無い」。